閉じる
伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【玉藻杯争覇戦予想】理想的な近畿ラインと圧倒的戦力関東ライン、2パターンの動きから狙い目を導く/ヤマコウ展望

2022/12/06 (火) 12:00 31

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 高松記念競輪玉藻杯争覇戦決勝メンバーが出揃いました。

 今節の中心は眞杉匠(栃木)です。準決勝はメインレースを任され、打鐘過ぎ3角かまして逃げ切り見事人気に応えました。決勝は近畿勢が関東勢を切り崩せるかどうかが焦点となりました。

 メンバー、ライン構成は以下の通り。

⑥稲毛健太(和歌山・97期)ー⑨稲川翔(大阪・90期)ー②南修二(大阪・88期)
⑦眞杉匠(栃木・113期)ー④佐々木悠葵(群馬・115期)ー⑤吉澤純平(茨城・101期)ー③宿口陽一(埼玉・91期)
⑧簗田一輝(静岡・107期)ー①香川雄介(香川・76期)

 ラインとして理想的なのは近畿勢です。番手がしっかりしている上に、3番手は決して裏切らない同県の②南。しかし、圧倒的戦力で優勝を狙うのは4車並ぶ関東勢です。⑧簗田は2車に加え準決勝落車し手負いの状態。そこの後ろが地元①香川とはいえ他地区の選手ですから不利だと思います。有利なのは1番車に香川が入ったことくらいでしょうか。

 レースはどのように動くでしょう。⑦眞杉はどこでもいいと思います。近畿が前受けしたら、中団は⑧簗田ですから関東勢に併せて5番手を取る動きをすると思います。なんなら番手の④佐々木の所で粘るかもしれません。それを望んでいるのは⑥稲毛でしょうね。混戦一発が狙えます。

 逆に関東勢を前受けで考えたら、⑦眞杉は準決勝のように6番手まで一気に引くでしょう。先行態勢に入る⑥稲毛を⑦眞杉が叩くイメージですね。2つの作戦を考えた時に、近畿勢にとって少しでも可能性があるのは前受けだと思います。近畿を前受けで考えます。

S.⑥⑨② ⑧① ⑦④⑤③

 先ほど書いたように、⑧簗田は後ろの関東勢に併せて前に動くでしょう。

    ←⑦④⑤③
打鐘.⑧① ⑥⑨②

 ここで⑧簗田が関東勢をすんなり出させるようなら関東勢で決まると思います。

・パターン⑴

        ←⑥⑨②
H.⑦④⑤③ ⑧①

 の展開ですね。好調の⑥稲毛とはいえ⑨眞杉を叩くのは難しいと思います。

狙い目①
4=7ー591
4ー5ー3791

 次は⑧簗田が粘るシーンを考えます。

・パターン⑵

打鐘.⑦④⑤③ ⑥⑨②
    ⑧①

 この展開でも、⑥稲毛がまくって近畿ワンツースリーのイメージが湧きません。④佐々木も⑦眞杉の番手を回る以上、簡単に競り負ける訳にはいかないので必死で抵抗するでしょう。⑥稲毛のまくりより、先行する⑦眞杉の逃げ切りが濃厚になるだけだと思います。近畿ラインの可能性は⑥稲毛がカマシ、もつれる⑦眞杉の後ろに⑨稲川が入るパターンだと思います。

  ←⑥⑨②
H.⑦ ④⑤③
    ⑧①

 この展開なら最終バックがこうなっていると思います。

   ⑥
B.⑦ ⑨②
    ④⑤③
     ⑧①

 この時は⑨稲川と⑦眞杉とのマッチレース。

狙い目②
7=9ー245

 ⑦眞杉は東日本を代表する先行選手に成長しました。確実に勝てるメンバーで取りこぼさない事が、タイトルを狙う橋頭堡になると思います。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

伝説ヤマコウ 炎のレース展望

山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

閉じる

山口幸二コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票