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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【蒲生氏郷杯王座競輪予想】直近レースから前受け選手を推測!喫煙所こぼれ話も/ヤマコウ展望

2022/10/10 (月) 12:00 27

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 松阪競輪GIII蒲生氏郷杯王座競輪決勝メンバーが出揃いました。地元3人が決勝に乗って、弱小中部軍団の意地を見せられてホッとしています。

 今節、主に検車場から一歩出た喫煙所周辺で取材をしていました。そこに集まってくるのは当然のことながらヤニ(喫煙)仲間です。主なメンバーは湊聖二(徳島・86期)、才迫開(広島・101期)、月森亮輔(岡山・101期)、三ツ石康洋(徳島・86期)、中嶋宣成(長野・113期)、晝田宗一郎(岡山・115期)、加藤圭一(神奈川・85期)、下井竜(三重・117期)、松岡孝高(熊本・98期)など。レースのことからプライベートなことまで楽しい話が飛び交います。

 中でも印象に残っているのはヤニ組最年長の湊です。アフロヘアーにカチューシャを差して、インナーシャツには「極悪非道」と書かれています。どっからどう見ても反○の人…。しかし、話している内容は実に真面目でした。「ヤマコウさん、2次予選の4角からの動きはどうでしたか?」とか、準決勝で太田竜馬に離れたレース後、「もっと上で活躍したいのに離れたら勝負にならん…」と真剣に悔しがっていました。その横で舎弟のように寄り添っていた中嶋が、実にいい味を出していました。

 メンバー、ライン構成は以下の通り。

②太田竜馬(徳島・109期)ー⑧大塚健一郎(大分・82期)
③諸橋愛(新潟・79期)
④皿屋豊(三重・111期)ー①浅井康太(三重・90期)ー⑨坂口晃輔(三重・95期)
⑤三谷竜生(奈良・101期)ー⑦山田久徳(京都・93期)ー⑥岡光良(埼玉・94期)

 直近4ヶ月のバック数が多いのは④皿屋と②太田(共に12回)で⑤三谷は1回です。皿屋と太田、どちらが先行するでしょう。

 今節の勝ち上がりの②太田は、「後ろ中団」からレースを進めたのが初日特選と準決勝。対して④皿屋は、初日は「中団」、2次予選「前受け」、準決勝は「前中団」からレースを組み立てました。これはどういうレースをしたいのかざっくり説明すると、②太田は捲りをメインに先行を考えていて、④皿屋はカマシをメインで考えているということが推測できます。

 もちろんレースには流れがあるので、100%そうなるとは限りませんが、初手の並びからはそう考えられます。決勝戦は④皿屋前受けで考えました。中団だと先行する距離が長くなるし、蓋をされて捌けず終わる可能性もあるので、④皿屋も①浅井も⑨坂口にもチャンスがある仕掛けは前受けから一か八かのカマシ勝負と考えました。

S.④①⑨ ②⑧ ③ ⑤⑦⑥

 まず、⑤三谷が動いて②太田を出させ、④皿屋はかますタイミングを伺います。

         ←④①⑨
打鐘.②⑧ ③ ⑤⑦⑥

 ④皿屋のかまし先行が決まれば①浅井の優勝が濃厚になります。

H.←④①⑨
     ②⑧ ③ ⑤⑦⑥

       ←⑤⑦⑥
B.④①⑨ ②⑧ ③

・狙い目
1ー92ー4239

 ②太田が前受けしたら中団は④皿屋なので少し長い距離を踏むことになりそうです。

S.②⑧ ④①⑨ ③ ⑤⑦⑥

打鐘〜H.④①⑨ ③ ⑤⑦⑥ ②⑧

      ←②⑧
   ←⑤⑦⑥
B.④①⑨ ③

 松阪競輪場は武雄競輪場と並んで400バンクで日本一みなし直線が長い(64.4メートル)ので、①浅井が踏み負ける展開も想定して…

・穴目
5=2ー173

 落車が続いた①浅井のリズムが戻ってきたように感じる3日間です。④皿屋もホームバンクは松阪なので、浅井とゴール勝負ができる選手になったのかどうかも確かめられる一戦になりました。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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