閉じる
前田睦生の感情移入

【平安賞】脇本雄太筆頭に近畿全員が責任背負う一戦、村上義弘が無念の欠場…

2022/09/23 (金) 12:00 22

無念の欠場となった村上義弘

平安賞に“あの男”がいない

 9月24〜27日に向日町競輪の開設72周年記念「平安賞(GIII)」が開催される。まず大きな衝撃を持って村上義弘(47歳・京都=73期)の欠場というニュースが流れた…。この大会に、村上がいない。ケガなどで欠場の時ももちろんあるわけだが、グサッとくる。

 ある年、弟の村上博幸(43歳・京都=86期)と稲垣裕之(45歳・京都=86期)が立て続けに欠場となり、シリーズを迎えたことがある。2人とも、ケガの数はもう数え切れない体だ。やむを得ない。

 義弘は何とか出場したが、その義弘もボロボロの体だったのは間違いなかった。レースではそんな素振りも見せずに戦うものの、ポロっと「2人が欠場してなかったら、自分が…」と話したことがある。「平安賞」を走る重みを誰よりも感じ、“京都”に誇りを与えてきた。

村上さんが走れなかった分を

脇本雄太(右)と稲垣裕之がカギを握る

 脇本雄太(33歳・福井=94期)が近畿全体を引っ張り、そしてなんといっても稲垣が、その思いを背負う。常に悲壮感漂う選手人生だ。笑顔より、歯を食いしばる姿ばかり見てきたが、最終日の夕暮れ、秋の空をバックにして笑うところを見たい。

 脇本としても、村上の思いは痛切に体の中に溶け込んでいる。連勝は止まり“最強のはずなのに課題ばかり”という、王者としての試練に向き合っている。

 競輪は強くなればなるほど、警戒される。どのスポーツも頂点にいるものを倒すために、さまざまな研究や挑戦が繰り返されるわけだが、競輪の場合は、レースによってさすがに多勢に無勢ということもある。

 それをすら、常に…の境地にたどりつくのか…。

清水裕友の場外ホームランにも期待

清水裕友の爆発にも期待!

 S班は清水裕友(27歳・山口=105期)だけの参加になる。いつも気になる“ヒロト”だが、青森記念(善知鳥杯争奪戦)から明らかに良くなっている。無論、来年もS班の座を譲るつもりはない。月日を重ね、貫禄も付いてきて、そこにレースの爽快さも加わってくれば、頂点が見える。

 泥臭いけど、パンクロックのような清々しさを得られるのがヒロトの走りだ。時々、カポタストを変なところにハメてしまうのか、曲調がズレることもあるが、ビシっと決まれば“Rock you!”なのだ。

 欠場者は出ているものの、よくよく全国の参加メンバーを見ると、どの地区も副菜なしの“炭水化物×炭水化物”系ばかり。詳細に書き出したいが、やめておく。九州だけ、1班が佐藤幸治(36歳・長崎=92期)1人と、すっきり感があり、秋田からやってきた青年がレモンステーキでご飯を食べる趣を出している。八谷誠賢(47歳・福岡=77期)というぬかみそ的存在も欠かせない。

 今節は、ごはん(山盛)とうどん(大盛)のセットでおかわり無料のような構成。ぜひ、目いっぱいお腹を空かせてから、レースを堪能してください!


Twitterでも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のTwitterはこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

前田睦生の感情移入

前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

閉じる

前田睦生コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票