「競輪ワールドシリーズ」とは、外国人選手招へいレースの愛称です。外国人選手招へいレースはかつて「国際競輪」や「短期登録制度」といった名前で行われていましたが、2020年度以降はコロナウイルス感染症の影響で中断されていました。そして2026年度から「競輪ワールドシリーズ」と名前を変えて、再開が決定しました。
外国で活躍する選手を招へいして日本でレースをするという滅多にない機会です。世界のスピードを体感できる絶好チャンスである「競輪ワールドシリーズ」について、徹底開設していきます。
競輪ワールドシリーズとは、外国人選手招へいレースの愛称のことです。外国人選手招へいレースはかつて「国際競輪」や「短期登録制度」といった名前で行われていましたが、2020年度以降はコロナウイルス感染症の影響で中断されていました。そして数年の歳月を経て、2026年度から「競輪ワールドシリーズ」と名前を変えて、再開が決定したのです。
外国人選手招へいレースは1982年に「国際競輪」の名前で始まりました。2009年からは「短期登録制度」として、2020年度からは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、一時中断となっていましたが、2026年度から「競輪ワールドシリーズ」という愛称で再び再開されることとなりました。
招へい(招聘)は、「丁重に人を招くこと」を差します。つまり外国人選手招へいレースというのは、外国で活躍する選手を日本に招いて行われるレースのことです。
外国人選手のあっせんは月2本を基本とし、あっせん選手数は9車立ては3選手、7車立てでは2選手となっています。ただし、ワールドサイクリスト支援競輪(GIII)で実施される女子の企画単発レースについては3選手となります。
基本的にデイ及びナイターで行われ、男女ともに10節で開催です。なお、男女は同じ開催に出場します。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 招へい人数 | 男子選手:3名(級班:S級2班) 女子選手:3名(級班:L級1班) |
| 出場期間 | 2026年6月〜8月 |
| 出場する競輪の種類・使用自転車 | 男子選手: ・先頭固定競走(オリジナル) ・グレード:G3またはF1 ・使用自転車:単式競走車(スチール製フレーム) 女子選手: ・先頭固定競走(インターナショナル) ・グレード:F1 ・使用自転車:単式競走車(カーボン製フレーム) |
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2026年度の競輪ワールドシリーズにおける開催日程や競輪場は以下の通りです。
G3開催(ワールドサイクリスト支援競輪)
| 日程 | グレード | 時間帯 | 競輪場 |
|---|---|---|---|
| 2026年8月6日〜9日 | G3 | デイ | 和歌山競輪場 |
F1開催
| 日程 | グレード | 時間帯 | 競輪場 |
|---|---|---|---|
| 2026年6月3日〜5日 | F1 | デイ | 防府競輪場 |
| 2026年6月26日〜28日 | F1 | ナイター | 小倉競輪場 |
| 2026年7月3日〜5日 | F1 | ナイター | 青森競輪場 |
| 2026年7月10日〜12日 | F1 | ナイター | 伊東温泉競輪場 |
| 2026年7月20日〜22日 | F1 | デイ | 岸和田競輪場 |
| 2026年7月27日〜29日 | F1 | デイ | 立川競輪場 |
| 2026年8月17日〜19日 | F1 | ナイター | 四日市競輪場 |
| 2026年8月24日〜26日 | F1 | デイ | 岐阜競輪場 |
| 2026年8月30日〜9月1日 | F1 | デイ | 川崎競輪場 |
「国際競輪」は、「競輪ワールドシリーズ」の前身となる施策で、外国人選手を日本に招へいし行われたレースのことです。1982年から2007年まで行われ、さまざまな外国のスター選手が来日し、日本の競輪ファンを沸かしました。
外国の自転車競技には、日本の競輪にある「ライン」という概念がありません。そのため、参加する外国人選手は、競輪養成所にて日本の競輪に関する独自ルールや基礎知識を学び、競輪選手の短期免許を取得した上でレースに臨みました。
また、2000年シドニーオリンピックで「ケイリン」が正式種目としてスタートしたり、2008年北京オリンピックでは永井清史が銅メダルを獲得するなど、競輪の知名度への貢献や、日本国内での競技力アップにも一役買いました。
「短期登録制度」は国際競輪が形を変えた施策のことで、2009年度に始まった制度です。短期登録制度の前身となる施策である国際競輪では、外国人選手が日本でレースをする期間が短すぎる点が課題でした。その問題の解消を図るためにより長い期間、レースに出場できる「短期登録制度」を新たに設けたのです。
国際大会で優秀な成績を残した外国人選手を日本に招へい、そして日本の競輪選手として一時的に登録し、日本国内で行われる競輪に出場できます。あっせんされるのはFI戦で、月2〜3回が原則。同じ開催に2〜3名の選手があっせんされていました。また、1年におよそ5人の選手がこの短期登録制度を通じて、日本に招へいされていました。なお、級班はすべてS級2班。
過去、日本には数々の名だたる外国人選手が招へいされてきました。その度に次元の違うレースを見せてくれ、いまだに各競輪場のバンクレコードを保持している選手も少なくありません。一部ではあるが、過去に過去に招へいされたことのある外国人選手を以下に紹介していきます。
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ロシアのシェーンパーキンス選手(出身はオーストラリア)。2009年4月26日に松戸競輪場で初出走。2012年ロンドンオリンピックではスプリントで銅メダルを獲得。また、2013年9月8日には名古屋競輪場で上がり10.4という記録を残しバンクレコードを更新した。2021年に惜しまれつつ現役引退。
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ドイツのシュテファンボティシャー選手。2014年4月30日に西武園競輪場で初出走。2013年の世界選手権(ベラルーシ)でスプリント優勝、2014年の世界選手権(コロンビア)でスプリント銀メダル。日本に初めて招へいされた2014年7月15日に小田原競輪場で上がり8.7を記録しバンクレコードを更新した。
オーストラリアのマシューグレーツァー選手。2018年4月28日に宇都宮競輪場で初出走。2018年トラック世界選手権(オランダ)でスプリント金メダルを獲得。2019年5月22日に久留米競輪場のバンクレコードを更新した。
オランダのテオボス選手。2002年4月1日に平塚競輪場で初出走。2004年アテネオリンピックのスプリントで銀メダル、世界選手権やワールド・カップではスプリント、ケイリン、1kmTTで数々の優勝歴を持つ。
オランダのマティエスブフリ選手。2015年5月1日に高知競輪場で初出走。2016年リオデジャネイロオリンピックのケイリンで銀メダル獲得。2017年7月19日に大宮競輪場のバンクレコードを更新した。
フランスの女子選手、マチルドグロ選手。2018年5月4日に立川競輪場で初出走。2022年トラック世界選手権のスプリントで優勝、2025ネーションズカップ(トルコ)の女子ケイリンで金メダルを獲得するなどの経歴の持ち主。