【開催直前展望】松阪競輪G3「蒲生氏郷杯王座競輪」は10日開幕!【S班は新山、郡司、古性、犬伏が出場】

2025/10/08(水) 18:00

松阪競輪場において開設75周年記念「蒲生氏郷杯王座競輪」G3が10月10日から13日で開催される。松阪でのグレードレースは吉本卓仁がG3初優勝した先月のミッドナイトG3以来で、今回は4日制の記念開催。S班から4名、さらに地元地区から浅井康太や皿屋豊らが参戦して、激しい攻防を繰り広げる。次走はG1寛仁親王牌の参加選手も多いだけに、注目度の高い4日間となりそうだ。

◆初日の出走表(10日更新)はこちらでチェック

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総合力上位の古性優作が貫録を示す

古性優作

古性優作が優勝争いをリードする。7月のサマーナイトで落車負傷して肩鎖関節を脱臼。まだ本調子に欠く中ではあったが、戦列復帰した8月オールスターG1は準優勝。次の共同通信社杯は初日1着で「オールスターよりも格段にいい」と徐々に復調を感じさせた。だが決勝は失格に終わっているだけに、挽回の走りでG3は今年1月和歌山以来の優勝を勝ち取りたい。スピードとテクニックをハイレベルに両立させて、年末に向けて上昇ベクトルを描いていくか。なお、松阪記念は2017年に優勝歴(当時2度目のG3優勝)がある。
村田雅一は充実期が続いている。今年も2月に全日本選抜G1、3月ウィナーズカップG2で決勝進出、直近も岐阜G3で決勝進出(4着)するなど、シャープな差し脚は軽視できない。
近畿は窓場千加頼の復調も待たれるところで、直前の奈良G3では好スパートからの連対はあるものの、一方で大きな着も目立っている。さらに調子を回復させて、近畿地区の躍進に再度加わっていくか。

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郡司浩平が松阪記念3連覇へ

郡司浩平

郡司浩平は9月青森G3を優勝。決勝は逃げる菊池岳仁の3番手を確保して捲りで押し切った。共同通信社杯G2は「流れを崩してしまった」と、まさかの一次予選敗退。だが、そこから先行含む自力戦で青森G3まで戦い抜き、「立て直せたと思う」と振り返った。G3は青森で今年6回目の優勝。さらに松阪は好実績を残すバンクで、2019年に共同通信社杯G2を優勝、記念も73周年、74周年を連続優勝しており、今年は大会3連覇がかかる。

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S班初優勝で勢いに乗る犬伏湧也

犬伏湧也

9月向日町G3in奈良で犬伏湧也は自身4度目のG3優勝を飾った。マークした佐々木豪を振り切っての逃げ切りで、今年4月にS班に昇格してからは、これが初優勝。「ちょっとホッとしています」と安どの表情も見せていた。賞金ランキングは11位で9位の新山響平とは約300万円差。「(G1で)結果を出したい」とグランプリ出場へ、次を見据えている。前回の奈良バンクに続き、今回も初登場の松阪でG3連続優勝を狙う。
松本貴治は8月オールスターで自身2回目のG1優出(4着)。昨年12月の松山G3では犬伏マークから地元優勝を決めている。だが、今年8月の富山G3決勝では、犬伏をマークするも伊藤旭に分断されて連携が崩れており、再度の連携なら同じ轍を踏むわけにはいかないだろう。
四国からは決め脚鋭い原田研太朗、11月川崎F1も優勝している山形一気の好調度も見逃せない。
また、中国地区からも取鳥雄吾、桑原大志らが参戦。取鳥は松阪G3に約4年ぶりの出場だが、そのときはシリーズ3勝をあげており、今回もG3初優勝を目指して力走に期待。桑原も9月熊本F1を石原颯マークから優勝。シャープな決め脚は、今回も要警戒だ。

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賞金ランキング9位の新山響平

新山響平

新山響平は9月地元の青森G3で直線追い上げるも、郡司浩平の先捲りに惜しくも準優勝。今年はまだ優勝に手が届いていないが、抜群の機動力を武器に、高位安定して賞金ランキングは9位につけている。もちろん、この位置はグランプリ出場のボーダーであり、まずはここが目標にされるだけに、一戦一戦の重要度はさらに高まる。マーク堅実な渡部幸訓、大槻寛徳ら北日本の追込陣と好連携から上位争いを演じて、残り2つのG1へ弾みをつけたい。

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地元地区は浅井康太、皿屋豊に期待

浅井康太、皿屋豊

地元三重は実績最上位の浅井康太を筆頭に、皿屋豊、西村光太ら6名がエントリー。浅井は9月共同通信社杯の初日に発走直前の急性腰痛症・股関節痛により欠場があったが、9月小倉F1から戦列に戻ると、その小倉は決勝3着、次の京王閣G3は準決勝敗退も最終日に1着取り。松阪記念は2012年と2021年に制しており、G3に限れば松阪は5連続優出中。賞金ランキングも10位で上位に食い込んでいるだけに、今回も見逃せない存在だろう。
皿屋豊は今年1月の松阪G3で準決勝敗退も、シリーズ3勝をあげている。念願のG3初優勝を目指して、今開催もホームバンクを沸かせたい。西村は昨年11月松阪の施設整備競輪G3で決勝進出(7着)も、今年1月の松阪G3ではシリーズ3度の確定板入りも、準決勝5着で決勝進出を逃している。7月の松阪F1では地元優勝を飾っており、再びホームバンクでの活躍に期待したいところだ。

また、関東からは吉澤純平、武藤龍生、7月弥彦でG3初優勝の末木浩二、昨年11月の松阪でG3初優勝している芦澤辰弘らが上位争いへ。ほかにも松阪G3優勝実績ある園田匠や8月小倉でG3初優勝した柳詰正宏、岩谷拓磨、松本秀之介らが参戦する福岡勢も虎視眈々と優勝を狙ってこよう。

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【松阪競輪G3・過去レポート】

今年1月の松阪記念は先行した深谷知広の番手から郡司浩平が抜け出して完全優勝を決めた

2025年9月ミッドナイトG3
優勝:吉本卓仁
2025年1月松阪競輪G3
優勝:郡司浩平
2024年11月施設整備等協賛競輪G3
優勝:芦澤辰弘
2023年9月松阪競輪G3
優勝:郡司浩平
2022年10月松阪競輪G3
優勝:山田久徳
2021年9月松阪競輪G3
優勝:浅井康太
2021年3月ウィナーズカップG2
優勝:清水裕友
2019年9月共同通信社杯G2
優勝:郡司浩平
2019年1月松阪競輪G3
優勝:村上博幸
2018年1月松阪競輪G3
優勝:稲川翔

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【今開催のS級戦・勝ち上がり】

S級9車立て・12レース4日制

◆初日
【初特選=1個レース】
1位〜9位(全員)→二次予選

【一次予選=11個レース】
1位〜4位(44名)→二次予選
5位から上位10名→二次予選

◆2日目
【二次予選=7個レース】
1位〜3位(21名)→準決勝
4位から6名→準決勝
※初特選出場の着上位選手から優先。
次に一次予選の着上位選手。

◆3日目
【準決勝=3個レース】
1位〜3位(9名)→決勝

※勝ち上がり表PDFはこちら

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◆松阪バンクの特性

バンク周長400mで、みなし直線は61.5m。クセはないが、全国の400バンクの中では5番目のみなし直線の長さ。カント(傾斜)は400バンクでは最も立っており、捲りも決まりやすい。連対時の決まり手は、1着(逃げ20%、捲り27%、差し53%)、2着(逃げ18%、捲り14%、差し28%、マーク40%)で、カントのきつさ、直線の長さから差しと捲りがやや優勢か。時折、風が強く吹くこともあるため要注意。最高上がりタイムは2014年5月11日に井上昌己が記録した10秒4。

※出場予定選手や戦績は10月8日現在。
掲載写真は別開催で過去に撮影したものです。

(P-Navi編集部)

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