2022/11/15(火) 17:54
前日に引き続き、群馬サイクルスポーツセンターを舞台に、群馬3連戦の2戦目「群馬CSCロードレース9月大会DAY2」が9月24日に開催された。リーグ戦であるJプロツアーの中では第14戦となる。
この日のレースも、6kmサーキットを逆まわりで用い、距離は前日の半分以下となる10周60kmのレースとして設定された。短距離のレースは集団スプリントで勝負が決まることが多い。このサーキットの逆周回は逃げ切りが難しく、集団スプリントに持ち越されるという見立てが濃厚だったようだ。
前日は雨に見舞われ、厳しいコンディションとなったが、この日はスタートに合わせたかのように天気が好転し、晴天の下、選手がスタートラインについた。
リーグの個人総合首位の小林海(マトリックスパワータグ)はこの日も欠場し、U23の首位である佐藤光(稲城FIETS クラスアクト)のみがツアーリーダーとして最前列に並ぶ。秋の美しい景色が広がるサーキットに、選手がスタートして行く。
逆回りのサーキットでスタート
距離が短いこともあり、ただちにアタックの掛け合いが始まった。前日に鮮烈な優勝を決めた連勝中の入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)が率いる弱虫ペダルサイクリングチームや、CIEL BLEU KANOYA、シマノレーシングのメンバーが集団前方で飛び出しを図る。
スタート直後から激しいアタックの掛け合いに
弱虫ペダルサイクリングチーム、CIEL BLEU KANOYAが積極的に動いた
数名が先行し、シマノレーシングが集団前方に集まり、集団のコントロールを図る局面もあったものの、スプリンターを抱えるチームなどは、先行され、逃げきりが生まれるリスクを嫌い、抜け出す選手を捕らえようとするため、すぐに集団に吸収されてしまう。大きな集団のまま周回を重ねていくことになった。
集団のコントロールを始めたシマノレーシング。だが、集団を落ち着かせることはできなかった
抜け出しを図る選手が現れると、すぐに集団が迫る
レースは、このまま終盤に突入する。スプリント合戦に持ち込みたくないチームが攻撃を開始。7周目に古谷田貴斗(CIEL BLEU KANOYA)が飛び出し、吸収されると9周目には冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA)がアタックするなど、CIEL BLEU KANOYAが波状攻撃を試みる。
古谷田貴斗(CIEL BLEU KANOYA)がアタック
アタックする入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)。この日も3連勝に向け、積極的に動いていた
冨尾は単独で先行し、最終周回に入ったが、残り1kmを前に集団に飲み込まれてしまった。再び一つの集団に戻り、勝負の行方は残ったメンバー間の集団スプリントに委ねられることになった。
先行した冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA)に集団が迫る
ゴールに向け、ペースアップしながら激しい位置取りが展開される。ここまで動いてきた選手が脱落、集団は小さくなりながら、最終局面に向かう。
スプリントに臨む10名あまりの選手たちの中で、最終コーナーにトップで突入したのは弱虫ペダルサイクリングチーム。3連勝が果たされるのか?
だが、ここから河野翔輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)らが、ほぼ一列で横に並び、ゴールに迫った。
ゴールに向かう集団
この中から爆発的な伸びを見せたのは河野だった。外側から一気に加速し、ガッツポーズでフィニッシュ。優勝を決めた。2位には大河内将泰が、3位にはフランシスコ・マンセボが入った。
力強いスプリントで勝利を勝ち取った河野
表彰式に臨む3名。若手ルーキーの河野から、46歳のベテラン・マンセボまで幅広い表彰台になった
河野は今年の春に大学を卒業したばかりの若手選手で、トラックレースで好成績を収めてきた。ロードレースで優勝するのは、これが人生で初めての経験だという。この日は、最後に自分が勝負をすると決めており、他のメンバーに委ね、最後まで脚力を溜め、最終勝負に臨んだそうだ。これまで成績を収めてきたチームメンバーはトラックレースの世界選手権のために欠場していたが、その中でも優勝できた喜びを、誇らしそうに語った。
U23の首位の座を守った佐藤光(稲城FIETS クラスアクト)
個人総合成績の首位に変動はなく、小林、佐藤がリーダーを守った。群馬3連戦の最終日は赤城山のヒルクライムレースが待っている。
***************
【結果】Jプロツアー第14戦・群馬CSCロードレース9月大会DAY2(60km)
1位 河野翔輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)1時間26分32秒
2位 大河内将泰(CIEL BLEU KANOYA)+0秒
3位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)+0秒
4位 中井唯晶(シマノレーシング)+0秒
5位 横山航太(シマノレーシング)+0秒
【Jプロツアーリーダー】
小林海(マトリックスパワータグ)
【U23リーダー】
佐藤光(稲城FIETS クラスアクト)
画像提供:JBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)
***************
【Jプロツアー2022・レポート】
Jプロツアー第13戦・群馬CSCロードレース9月大会DAY1
Jプロツアー第12戦・南魚沼ロードレース
Jプロツアー第11戦・南魚沼クリテリウム
Jプロツアー第10戦・第1回古殿ロードレース
Jプロツアー第9戦・石川サイクルロードレース
Jプロツアー第8戦・石川クリテリウム
Jプロツアー第7戦・東日本ロードクラシックDAY2
Jプロツアー第6戦・東日本ロードクラシックDAY1
Jプロツアー第5戦・群馬CSCロードレース4月大会DAY2
Jプロツアー第4戦・群馬CSCロードレース4月大会DAY1
Jプロツアー第3戦・西日本ロードクラシック広島大会DAY2
Jプロツアー第2戦・西日本ロードクラシック広島大会DAY1
Jプロツアー開幕戦!播磨中央公園ロードレース(P-Navi編集部)