2022/07/07(木) 11:09
JBCFロードシリーズの最高峰リーグであるJプロツアーの第7戦「東日本ロードクラシック修善寺大会DAY2」が6月19日、静岡県修禅寺の日本サイクルスポーツセンター5kmサーキットで開催された。前日の「DAY1」と同じ会場であるが、距離は逆回りで22周する110km。DAY1の倍以上の設定となり、レースレーティングも1ランクアップのゴールド。リーグを走る選手にとっては、獲得可能なポイントも大きく重要なレースのひとつになる。
前日は雨の中のレースとなったが、この日は晴天に恵まれた。プロツアースタートの頃には路面も乾き、ドライコンディションに。気温が上がり、暑さに慣れていない選手にとっては厳しい環境となった。
スタートライン最前列には、快勝を続ける小林海(マトリックスパワータグ)が、個人総合首位の証であるレッドジャージを着て並び、その横には、U23首位を守る山本哲央(TEAMB RIDGESTONE Cycling)がホワイトジャージ姿で立った。
晴天の下、一斉にスタート
スタート直後からハイペースになり、集団は長く伸びた
スタートからペースが速く、早々に動きが起こる。数名が先行、ここにさらに複数名の選手が合流し、計12名の先頭集団が形成された。この中には、昨年リーグ優勝を遂げたホセ・ビセンテ・トリビオと小森亮平(以上マトリックスパワータグ)、毎レースで積極的な動きを見せる入部正太朗、香山飛龍(以上、弱虫ペダルサイクリングチーム)をはじめ、多くの主要チームが選手を送り込んでいた。
早々に数名が抜け出し、さらに集団からも選手が合流する
12名の先頭集団が形成された。主要チームの多くが選手をここに送り込んでいる
メイン集団はこの12名の先行を許し、先頭からメイン集団までの差は1分以上まで開いた。一時、この差が40秒まで縮まる場面もあったものの、レース中盤からLEOMO Bellmare Racing Teamが集団の先頭に立ち、ペースのコントロールを始めた。1分20秒前後の差でレース後半に入った。
LEOMO Bellmare Racing Teamがメイン集団のコントロールを始めた
13周目に入ると、メイン集団がじわじわとペースアップ。両集団の差は1分以内に縮まった。そして、15周目にはこの差は30秒以内まで縮まり、先頭集団の逃げ切りの可能性は極めて低くなる。先頭からは、吸収を嫌った3名が飛び出しを図るものの、なおもペースアップする後続集団は、ついに16周目に全員を吸収した。
メイン集団から逃れるため、伊藤雅和(CIEL BLEU KANOYA)や渡邉歩(愛三工業レーシングチーム)が先頭集団から飛び出した
花田聖誠(キナンレーシングチーム)が飛び出した
17周目、先ほどまで先頭集団で粘っていた花田聖誠(キナンレーシングチーム)が再びアタック。単独先行を始めると、集団から数名が飛び出し、合流、先行する動きを見せた。さらにその集団内から、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)ペースアップ。小林海(マトリックスパワータグ)がこれを追う。このまま18周目に入ると、レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)、天野壮悠(シマノレーシング)、草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)が先頭2名を追ったが、差は縮まるどころか1分以上開き、事実上、優勝争いはルバと小林の二人に絞られた。
先行したメンバーの集団で、トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)が先頭に立ち、ペースアップ
終盤はルバと小林海(マトリックスパワータグ)の一騎打ちに
先頭交代を繰り返しながら、2名は先頭を走る。最終周回の残り2km付近からの登りに差し掛かったところで、小林がアタック。ルバとの差を広げてフィニッシュを目指す。ルバは踏ん張り、ジリジリと差を詰めたが捕らえきれぬまま、小林は単独でフィニッシュラインを越えた。小林の今シーズン6勝目と同時に、マトリックスパワータグの開幕7連勝が決まった。
小林がシーズン6勝目をあげた
小林は表彰台で「確実に勝てるのは残り2kmの登りと考えた」と勝利を決定づけた動きについて語った。最後はペースを維持するのがきびしくなり、ルバが迫ってくるのを感じたという。「最後は本当にしんどかった」と吐露しながらも、連勝を遂げた喜びで顔をほころばせていた。勝利をあげた小林は個人総合首位を守り、山本もU23首位を守っている。
小林、山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)がそれぞれのリーダージャージを守った
この日の結果が、次の全日本選手権の行方を占うものになるか、あるいは、まったく異なる展開が待っているのだろうか。
シーズンは前半のクライマックスを迎える__。
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【結果】Jプロツアー第7戦 東日本ロードクラシックDAY2(110km)
1位/小林海(マトリックスパワータグ)3時間2分41秒
2位/トマ・ルバ(キナンレーシングチーム)+4秒
3位/レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ)+2分51秒
4位/草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)+2分55秒
5位/伊藤雅和(CIEL BLEU KANOYA)+2分55秒
【スプリント賞】
1回目/該当者なし
2回目/入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)
【敢闘賞】
松原颯祐(備後しまなみeNShare)
【Jプロツアーリーダー】
小林海(マトリックスパワータグ)
【U23リーダー】
山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
画像提供: 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟
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