2022/04/14(木) 18:05
JBCFサイクルロードシリーズの最上位カテゴリーである「Jプロツアー」が、3月27日に開幕した。
第1戦は「第2回JBCF播磨中央公園ロードレース」。兵庫県加東市の兵庫県立播磨中央公園で開催された。
会場としては、昨年の第1回と同じ公園を使用するものの、1周3kmだったコースが7kmに延長。カーブが連続し、アップダウンが繰り返され、休みどころの少ないハードなコースに変わった。これに伴い、昨年は小周回の「クリテリウム」であったが、今年から「ロードレース」としての開催に変更された。
今回のレースはコースを20周する140kmの設定。Jプロツアーに登録された12チームから80名が出走した。
スタートラインに並ぶ選手たちと、JBCFの安原理事長、兵庫県県土整備部の首藤参事
前日の大雨から一転し、抜けるような青空が広がった。
レースは正午すぎにスタートすると、早くも1周目から大きな動きが生まれた。昨年まで連覇を続けている強豪チーム、マトリックスパワータグのレオネル・キンテロ、安原大貴、小林海の3名と、MTBクロスカントリーの日本チャンピオン沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、横山航太(シマノレーシング)、渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム)ら13名が先行し、先頭集団を形成した。
13名の先頭集団が形成された
後続のメイン集団はTEAM BRIDGESTONE Cyclingが先頭に立ち、コントロール。その後3名が脱落するが、先頭集団との差はレース中盤にかけて2分程度となった。
レースが折り返しに差し掛かる頃、メイン集団がペースを上げる。そして、11周目には、先頭集団との差は40秒ほどまで縮まった。
スピードアップし、一列棒状に伸びる先頭集団
だが、この動きでメイン集団が分裂、15名ほどにまで絞り込まれてしまう。TEAM BRIDGESTONE Cyclingが牽引を止め、ペースが落ち、先頭集団との差は、2分30秒程度まで開いた。先頭集団からも数名がこぼれ落ち、メンバーは6名までに減る。先頭集団の逃げ切りが濃厚になってきた終盤、小林とキンテロが先頭から抜け出す。この動きに反応できた沢田が合流し、この3名が先頭集団を新たに形成した。
小林海、レオネルキンテロ(マトリックスパワータグ)、沢田時(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が先行する
先頭との差が開き、勢いも落ち、合流は不可能かと思われたメイン集団から、松田祥位(TEAM BRIDGESTONE Cycling)と、世界最高峰のレースで活躍してきた驚異のベテラン、46歳のフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)の2名が抜け出し、先頭を追い始めた。
ラスト2周、小林とキンテロが再びアタック。沢田を振り切り、2名で先行を始めた。追走していたマンセボは松田を振り切り、残り2周で先頭集団から遅れた沢田、横山、渡邊らの集団に追いついた。マンセボはこの選手たちを振り切り、独走を始める。淡々と走り、単独3位となって最終周回に入った。
小林、キンテロが1-2フィニッシュ
小林とキンテロは最後まで逃げ切り、小林、キンテロの順にフィニッシュラインを越えた。マンセボは独走をキープしたまま3位でフィニッシュ。昨年の覇者のマトリックスパワータグが1位から3位までの表彰台を独占する結果になった。
小林は表彰台で、開幕戦の勝利を狙ってきたこと、それを果たせた喜びを語った。
マトリックスパワータグが表彰台を独占
小林がJプロツアーの首位となり、赤い「Jプロツアーリーダージャージ」を獲得。U23の首位を示す白い「ネクストリーダージャージ」は山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が獲得した。
満面の笑みを浮かべるJプロツアーリーダージャージの小林とネクストリーダージャージの山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
開幕戦から、圧倒的な強さを見せつけたマトリックスパワータグ。今年も連覇を続けるのか、これを阻むチームが出てくるのか。今年発表されたレースカレンダーでは、レース数も増えており、コロナ前の体制に戻る兆しも見せている。
はたして今年度は、どのようなシーズンになるのだろうか。
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【結果】播磨中央公園ロードレース(140km)
1位/小林海(マトリックスパワータグ)3時間41分21秒
2位/レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ )+0秒
3位/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)+37秒
4位/横山航太(シマノレーシング)+2分9秒
5位/安原大貴(マトリックスパワータグ)+2分12秒
6位/渡邊翔太郎(愛三工業レーシングチーム)+2分12秒
【中間スプリント賞】
1回目、2回目 安原大貴(マトリックスパワータグ)
【敢闘賞】
白川幸希(CIEL BLEU KANOYA)
【Jプロツアーリーダー】
小林海(マトリックスパワータグ)
【U23リーダー】
山本哲央(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
画像提供:一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟(P-Navi編集部)