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【オートレース入門コラム】森泉宏一のオート語らんまいけVol.4『SS王座決定戦の出場権争い』

2025/10/17 (金) 15:30

どの公営競技でも、1年の総決算、大一番の戦いとなるのが、やはり年末。
中央競馬ならば有馬記念。競輪とボートレースはグランプリ(ボートレースはかつて「賞金王決定戦」という名称で開催。個人的にはこっちの方が分かりやすく響き的にも好きなのですが……)。
そして、オートレースにも、もちろん創設されています。その名は「スーパースター王座決定戦」。
このシリーズに参加できるのは16名。選ばれし16名が、4日間のトライアル(予選)を戦い、その結果、上位8名が最終日の大みそかに行われる頂上決戦「スーパースター王座決定戦」に挑む構図です。

当然、優勝賞金も他のSGの倍以上。3,000万円以上と破格の数字。まさに年間王者を決める大一番なのであります。

「最近、オートレースを始めてみました」という皆さんにおかれましては、日々の予想、車券購入を堪能されるのもいいですが、スーパースター王座決定戦への、年間を通した争いも楽しんでいただきたいと思います。

さて、その王座決定戦に挑むためには、その前段階である「トライアル」への出場権を、まず獲得しなければなりません。
毎年12月27日から12月31日まで、川口オートレース場で開催される「スーパースターフェスタ」。1レースから10レースはシリーズ戦として、別の大会が行われます。そして、終盤の11レースと12レースでトライアルを開催(数年前から初日の10レースは「スーパースターガールズ王座決定戦」が開催されています。こちらについても今後執筆予定)。

まずは、どうすればトライアルの出場権を得られるのか、選考基準から見ていきます。

【出場資格その1】
◆SG優勝選手(4名)


その年のSGを制した選手は、文句なしで出場権を獲得。ビッグタイトルの優勝ですから、これが最も分かりやすい形です。
今年のSG覇者は2025年9月末現在、青山周平選手、佐藤励選手、そして鈴木圭一郎選手。したがって、まずこの3選手は確定。あとは10月の終わりから11月上旬に開催される日本選手権を誰が制するのか。

【出場資格その2】
◆各レース場の競走成績第1位の選手(5名)


これはその年の1月1日から10月31日までが選考期間。川口、伊勢崎、浜松、飯塚、山陽にそれぞれ所属する選手たちの中から成績1位の選手が出場。
「そのレース場を代表して」という意味でも、そのレース場をホームとするファンの皆さんも、より応援のしがいがあるかと思います。
※なお、各場1位選出選手は11月1日に発表される予定。

【出場資格その3】
◯SGレース及び特別G1プレミアムカップの優勝戦におけるポイント獲得の上位選手


・SG優勝戦におけるポイント

優勝→出場確定
2着→10点
3着→8点
4着→7点
5着→6点
6着→5点
7着→4点
8着→3点
※選手責任外の失格は4点。責任失格は無得点。
・プレミアムカップ優勝戦におけるポイント
(2025年は3月と9月の2開催)

優勝→10点
2着→8点
3着→6点
4着→5点
5着→4点
6着→3点
7着→2点
8着→1点
※選手責任外の失格は2点。責任失格は無得点。

なお、責任とは、フライング、出残り、後方スタート、故障完走(着順が変化した場合)を含みます。

こう見ると、SGの優勝戦に乗り、中間着でも割といいポイントを獲得できます。
これらを基に、9月末時点でのランキングはこちら。

【SG優勝=出場確定】(3名)
青山周平選手、佐藤励選手、鈴木圭一郎選手

【ポイントランキング】
1位:黒川京介選手(39点)
2位:金子大輔選手(21点)
3位:佐藤摩弥選手(17点)
4位:鈴木宏和選手(14点)
5位:荒尾 聡選手(11点)
6位:中村雅人選手(10点)
7位:佐藤貴也選手(6点)
7位:伊藤信夫選手(6点)
9位:有吉辰也選手(4点)
9位:高橋 貢選手(4点)
9位:篠原 睦選手(4点)
9位:松尾啓史選手(4点)
13位:長田稚也選手(3点)
14位:早川清太郎選手(2点)
15位:平田雅崇選手(1点)

黒川京介選手の39点がひと際目立つようになっているのが特徴。今年はまだSG優勝こそないものの、年間通した好調さを物語るポイントになっています。

ちなみに、今年最後のSGであり、勝てば無条件でスーパースター王座決定戦トライアルへの出場権を獲得できるSG日本選手権オートレース(10月29日〜11月3日@飯塚オート)。昨年大会を制した黒川選手ですが、その時の優勝戦の1度目のスタートでフライングを喫したため、今年の大会は選考除外に。それでも年末に向け、これだけのポイントを保持していますので、もう安泰。
(参考:昨年は5ポイントを獲得していた佐藤貴也選手、木村武之選手までが出場権を獲得しました)

さあ、ここまで全て違う覇者となっている今年のSG戦線。
今年最後のSGで新王者が名乗りを挙げるのか。それとも既に今年SGを制している3選手から複数タイトル獲得者が誕生するのか。
興味の尽きない出場権争いであります。

※掲載写真はイメージです。

(P-Navi編集部)

オート語らんまいけ

森泉宏一

生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などにも多く出演。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も更新中。

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