2020/07/31 (金) 18:50
前回コラムで書いた平塚のレースに続き、また、記憶に残るレースを見ることができました。
7月24日の玉野F1のS級決勝戦……そう言えば、もう「あ~、あのレースね」と、思う方も多いかも知れません。はい、Twitterでも話題になっていましたね。優勝したのは地元の筒井敦史(岡山85期)選手でしたが、ゴール前、追い込んできた小倉竜二(徳島77期)選手とのゴール争いで落車滑入。幸い両者とも軽傷だと聞いて、ホッと、しましたが、稀に見る“落車滑入優勝”。筒井選手には地元の意地がありましたし、一方の小倉選手には前が競っている3番手という難しい位置でも最後まで突っ込んでくる気迫に圧倒されました。
車券的には__最近、チャリ・ロトに追加された新投票機能『マルチ・裏目モード』を使って、実は筒井選手を軸にしたマルチを買っていたのです。地元戦ということに加えて、師匠である元競輪選手・本田晴美さんの冠ということもあってか初日から気持ちの入った競走。また、番組的にも良いところに組まれているなぁと、感じていました。決勝戦は山口2名の3番手回り。それでも、調子も良かったですし、今開催の流れ的にも3着までには入るだろうと、予想を立てていました。
筒井選手を軸にして、購入したのは計30点。7車立て、マルチ買い、軸選手の優勝。もはや外す方が難しいくらいバッチリなのに……なのに……。
私が購入したのは3連単で4-26-1267のマルチ。そうなんです!2着、3着に入った小倉選手と久保田泰弘(山口111期)選手の組み合わせがないんです!ちなみに4-126-1267でマルチを買っていたら36通り。どうせ買うのならば……なぜ、その600円が足せないの?!と、本当に凹みました。
ラインとしては宮本隼輔(山口113期)選手―久保田選手―筒井選手で並んでいるので、2着に久保田選手がいてもおかしくないのに「なぜっ!???」というところ。買った当時の私はこう思っていたんですよ。「昨日、久保田選手には私の本命・橋本強(愛媛89期)選手が飛ばされたからなぁ。3着でいいや」と。
お気づきでしょうか?これはただの私怨です。展開がどうとか、調子がどうとかではなく、前日の車券の恨みを引きずった結果、高配当を取り逃し、瀬戸の柔らかな海風に凍えることとになったのです。潮風が沁みたぁ……。
車券を買っていると、どうしても外れた悔しさが選手へ向いてしまうことがあります。競輪初心者の子に教える時は「嫌いな選手は少ない方が良いよ」と、私はいつもアドバイスします。そういう選手ができてしまうと、その選手が勝っても、負けても面白くないという負のスパイラルに陥るからです。人にアドバイスしておきながら自分はこのありさま。選手の戦法やレースは記憶しても、車券が外れた悔しさは毎回、リセットして、車券に向かうことの大切さを感じました。
私が勝手に恨んでいた(本当にごめんなさい)久保田選手は2日目、人気になっていた橋本選手を捌いて2着ではありましたが、3連単5.4倍を吹っ飛ばし、6万円の高配当を導き出した立役者です。冷静に考えたら、そんな“オイシイ選手”を嫌いになったら絶対に損する!本当にもったいないですよね……。同地区でも別線なら割り切って攻める自在選手であることをキッチリ記憶して、次に車券を買う時は波乱を期待しながら狙っていきたいですっ!
そんなことを考えていたら、恨んでいた気持ちなんてアッと、いう間に消えて、むしろ次の開催が待ち遠しくてたまりません。やっぱり、追い掛けたい選手が増えるとワクワクします。これだから競輪はやめられないんですよね!
木三原さくら(きみはら・さくら)
1989年3月28日生 岐阜県出身
2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている
木三原さくら
2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。