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小倉G1競輪祭

2019/11/28 (木) 07:54

小倉G1競輪祭

松浦悠士(広島98期)がG1初制覇を飾った小倉G1競輪祭。2着は清水裕友(山口105期)で、中国地区から初めて2人のS級S班が誕生することに。広島の選手がG1タイトルを獲得したのは、グレード制が導入されてから初の快挙となった。このコラムでは書いてきたが、松浦の走りはワクワク感を覚える。初出場となる年末のKEIRINグランプリ2019での走りが今から楽しみである。加えれば、今年のグランプリには松浦の他、清水、郡司浩平(神奈川99期)と、20代が3名出場することになり、世代交代が加速したとも言えるのでないか。

ニュースター誕生とは裏腹に……競輪祭6日間の売り上げは散々たるものになった。昨年は目標の100億円を超える106億円だったが、今年は110億円の目標に対し、88億5,991万2,200円。前年比で言うとマイナス16.8%だった。昨年の勢いはどこにいってしまったのか?ボートレースのSGチャレンジカップは競輪祭と同じ日程で、ナイター開催も同じ。そして、売り上げは117億401万4,700円。目標の120億円には届かなかったが、前年比で見れば、プラス16.6%と伸ばした。同じ日程ながらも競輪祭とチャレンジカップの売り上げ差は28億4,410万2,500円にもなった。同じ条件(場外発売等の差はあるが)で、ボートレースにここまで差をつけられた原因を関係者は分析しなければならないだろう。分析するだけでなく、同じ失敗を繰り返さないためにも手を打つべきだ。

競輪とボートレースに関して言えば、今年の競輪はG1(6大会)で、目標の売り上げに達しなかったのは6回。すなわち全て目標を下回っている。松戸G1オールスターと岸和田G1高松宮記念杯は前年比マイナス0.1%、0.2%なので健闘したと言えよう。特に落ち込みが激しかったのが前橋G1寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントであった。目標設定が85億円に対し、67億7,167万6,300。台風で開催が延びた影響はあったにせよ、考えられない数字であった。一方のボートレースはと言えば、SG(7大会)で目標を下回ったのは、前述のチャレンジカップのみ。その他は全てクリアしている。そのチャレンジカップにしても前年比はプラスなのだ。
一昔前では考えられなかった逆転現象であろう。筆者はボートレースには詳しくないが、聞くところによると、施設は綺麗で、来場者の平均年齢も競輪に比べて若いそうだ。人気タレントをイメージキャラクターにした効果も絶大で、そのタレントがゲスト来場するとなると、何百人もの徹夜組が出るというから驚いてしまう。残念ながら競輪業界のイメージキャラクターで、そこまで人気があったのは記憶にない。
イメージ戦略だけではないだろう。口を酸っぱくして言ってきたことだが、全国発売のグレードレースでいまだに地元選手を優先する風潮が残っている。地元選手を優遇して何か得でもあるのだろうか?
また、競輪離れは深刻な問題であることは、10年以上前から言われ続けてきたことだ。体力があると言われている小倉競輪場での今回の数字を見て、どう考えるかだろう。

KEIRINグランプリ2019は一発勝負のため、売り上げ云々は言わないが、来年に向けたビジョンがまだ見えてこない。どうしたら人気が回復するのか?関係者だけの話し合いでは、進歩はないと考える。遅すぎるけれども、今こそ一般のファンの声を大切にしなければいけないのではないか?それも競輪場にいるファンの生の声が何よりも重要なはずだ。有識者の意見は必要ない。有識者とは何の有識者なのか?それが分からなければ、競輪界に未来はない。そうならないためにも、来年こそ一丸となって頑張っていただきたい。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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