2019/08/26 (月) 23:59
イベントの司会を務める機会が多かった今年の夏。
そんな中、東京オリンピック関連のイベントで“百獣の王”ことタレント・武井壮さんとご一緒する機会がありました。
そのイベントは少し変わったスポーツ競技を一般の方々が競う大会で、優勝者には来年の東京オリンピック・パラリンピックの観戦ペアチケットなどが贈られるということもあり、参加者は本気モード!
大変な盛り上がりを見せていました。
当日の様子はこちら!
競技中は私が実況して、武井さんと共にイベントを盛り上げて欲しいという依頼でした。
(私が実況・進行を担当して、武井さんは解説だけでなく競技にも参加!)
『競う』という特性上、テイストが自然とレース実況風になっていたようで、クライアントやイベント会社の方からも
「競馬や競輪みたいな実況ですね!どこかでされているのですか?」と、質問されるくらい。
競技のイベントということで某『筋肉番付』風なバラエティー的実況も意識しつつ。
レース実況が思わぬところで役立ちました。
時折、私の師匠である野村達也さんとも話題に挙がるのですが。
レース実況を経験すると、司会などレース実況以外の仕事にも役立つことが多々あります。
例えば、番組中に間をつなげないといけない場面や、こうした盛り上げ系のスポーツイベントなどです。
今回はレース実況の経験から東京オリンピック・パラリンピックに携わることができた貴重な機会となりました。
さて、滞っていた『公営競技実況アナウンサーへの道』。
今回のイベントの話しで思い出したかのように再開しようとしていますが。
まずは前回までのあらすじをチェック!
前回は私の名前の由来から始まり。
ボートレース多摩川での現地研修開始。
そして、文末には本番研修デビューまでを記しました。
さて、大ベテランであるゴン太アナウンサーの鶴の一声で(恐らく各方面への根回しに尽力していただいたと思います)、想像よりも早く2008年の年末開催で本番研修が始まりました
舞台はもちろん、研修初日に勘違いしたボートレース多摩川の審判室。
レース発売中はとても和やかな雰囲気となるこの部屋。
しかし、発走時刻が近づくにつれて、各審判員は配置に就き、各々が準備と水面のチェック。
数分前とは打って変わって緊張感ある雰囲気に包まれていきます。
私も実況席へ。
何かあった時に備え、席の後ろでは師匠が見守ってくれています。
全艇ピットアウトし、待機水面へ。
ファンファーレが鳴り終わると喋り出しです。
ぎこちない前口上から全艇がスタート!
「インから1号艇が逃げて……」
すると、水面に6艇いるはずのボートが5艇になっている。
「(あれー!?外のコースで水しぶきがあがっているぞー!)」
「(デビュー戦でいきなり転覆だって!?何でよりによって! あー、この後はどうするんだっけ!?)」
転覆などの失格があった場合の対処は頭に入っていましたが、やはり、本番からくる緊張から頭の中は真っ白に。
通常、アクシデントが発生すると審判さん同士のやり取りがあり、転覆や落水などが決定し、正式に失格へという流れとなります。
その失格が決定した後、アナウンサーは実況中にさりげなく失格放送を入れます。
当時、レース場によっては審判長自らが失格放送をされているところもありましたが、東京3場(江戸川、平和島、多摩川)はアナウンサーが行います。
したがって審判員さんたちのやり取りを聞きながら実況をしなければなりません。
ただ、前述したように私の頭の中は真っ白。
そのやり取りを聞き逃してしまう失態。
それに気付いた師匠がすかさずフォローして下さり、失格を伝えて通常実況へ。
選手のケガの有無を心配する余裕もない程の精神状態でバタバタしたこと。
そして、失格をスムーズに伝えられず、いきなり助けを借りたことによる落ち込み。
今になって思えば、いきなりアクシデントで始まったからこそ「いつ何が起こるか分からない」という気持ちで、その後は実況に臨めたかと。
でも、当時の私にはそんな未来への手応えなどはありません。
担当レースが終わり、実況席を離れ控え室に向かう途中、大量の汗に気づきました。
年の瀬とは思えない程の汗を流したことを今でもハッキリ覚えています。
その後、年明けからは序盤戦の1、2レースを実況席で喋り、残りのレースは控え室で練習。
あるいは先輩方の後ろについての見学を繰り返す日々でした。
そんな中、当時の事務所社長からの一言が衝撃的でした。
「現在、休催中の江戸川が6月に再開する。そうしたら君のホームは江戸川になり、専属で担当だ」
はい、この時に担当するレース場が既に決まっているということを初めて知らされました。
とにかく江戸川が再開するまでに少しでもマシな状況に持っていかなければならない。
冬が終わり、春を迎える頃はそのことだけで頭がいっぱいでした。
この江戸川というレース場がかなりのクセモノ。
少しずつ実況に慣れてきていた私をさらに苦しめることになるのです。
さて、実況デビューした日。
レース映像を請け負う日本写真判定の社員さんから記念にと、実況したレースのDVDを頂戴しました。
1年程前、偶然にこのDVDを発見しましたが、怖くて見ることができずにいます。
もしこのDVDを世に披露する機会があるとすれば……それは罰ゲームを受けている時だと思われます(苦笑)。
そして、私は拷問(ごうもん)を受けている気分になることでしょう。
最後に告知を。
先月末にチャリ・ロトのニコニコ生放送であるチャリロト劇場『燃えろ!!オートレース』に出演させていただきましたが、再び登板(出演)が決まりました!
出演するのは8月27日から開催される伊勢崎オートの3日間ナイターシリーズ『第43回群馬テレビ杯』です。
出場予定選手はこちらをチェック!
先日のSGオートレースグランプリで惜しくも準優勝だった早川清太郎選手(伊勢崎29期)。
さらに“絶対王者”の髙橋貢選手(伊勢崎22期)。
そして、今年のSGオールスター準優勝、現時点で賞金ランキングベスト10にも名を連ねる吉原恭佑選手(伊勢崎32期)らが参戦。
前回出演時は3日間でわずか1安打に終わっただけに、今回はリベンジを果たすシリーズとなります!
しかも、かつてのホーム・伊勢崎オートでの開催なので、ここで惨敗するようなら次回以降の出演依頼に大きく影響してしまうかも!?
何とか結果を出し、みなさんのお役に立てればと思っておりますので、是非、ご覧下さい!
(前回の飯塚ミッドナイトのように再びレース実況もやるのかな?)
【オートレース 今後の記念レース日程】
・9/12~
G1秋のスピード王決定戦(浜松)←私もステージ司会で参戦!
・9/21~
特別G1共同通信社杯プレミアムカップ(山陽)
・10/10~
SG全日本選抜(川口)
・10/31~
SG日本選手権(飯塚)
森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち
父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」
という慰めの言葉が唯一の救い
森泉宏一
生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。