今回が初出場の戸田は参加を楽しみにしていたそう。

　戸田はスポーツの名門・順天堂大学出身。同大学の自転車部は伊藤信や佐藤佑一らを競輪選手を数多く輩出。そんな二人と同級生の戸田も、実は同じ自転車部の出身。

　しかし、大学2年次に入部というイレギュラーな経緯だったそうで…。

「ずっとサッカーをやっていたんです。就職活動や将来を考えたときに、運動が好きだったし、プロのアスリートとして生きていきたいと思った。でも、サッカー選手は難しい…。自転車部があるし、思い切って競輪選手を目指してみよう、とサッカー部を辞めて入部しました」。

「かなり思い切った決断でしたね。サッカーをやるために進学したし、正直、競輪もそこまで知らなかったので。キッカケですか？ ちょうどのテレビのチャンネルをパッパッと変えていたら、スピードチャンネル(※)が無料放送していて『なんだ、これは！』と思って見入った(笑)」。※競輪中継等の専門チャンネル

「これだったらアスリートになれるかも、と考えて自転車部に入部してみたけれど、未経験だし、やっぱりキツかったです。当時、佐藤(佑一)君は自転車のエリートでキャプテン。僕が素人の時から、佐藤君には自転車を貸してもらい、手取り足取り教えてもらっていた。こうやって一緒に同じ舞台で走れるのは最高ですね」と感慨深げ。

「伊藤君はマネージャーから競技者に。いつの間にかあんなに強くなって(笑)。一番驚いているのは僕よりも佐藤君じゃないかな。最初から彼の事を知っているからね。マネージャーだった伊藤君が世界大会(マスターズ)に出場するまでになるとは…。僕もマネージャーに負けていられないですよ(笑)」と対抗心を燃した。

「初めての参戦だけど、ベストを尽くしたい。もちろん、チャンスがあれば自分で仕掛けていきたいとは考えています。怪物君がいるけど…(笑)」と斜め前にいた同期の山田義彦に目をやる。

　すかさず山田が「戸田さん、真っ直ぐ走らないとダメですよ。伊藤さんも真っ直ぐ走れず失格して、ようやく慣れて無双していますからね。(ゴニョゴニョと何やらアドバイスを伝える。)それだけは教えておいてあげる(笑)」と言うと、戸田は「もっと良い情報をくれよ！(笑)」とおねだり。PIST6の検車場でお馴染みの“山田塾”が開講されたのであった。

　取材後、出走表が発表されると…。なんと、戸田と佐藤佑は初戦から激突ではないか。一次予選E(5R)は実績断然の地元・根田が人気を集めそうだが、二人の対決にも是非とも注目したい！(アオケイ・八角記者)

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