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【PIST6】まだまだ満足していない! 上昇志向の若武者・伊藤旭「お祭りみたいな雰囲気が自分に合ってる」/セカンドクォーターラウンド2優勝者インタビュー

2022/07/12(火) 13:00 0 3

2021年10月にTIPSTAR DOME CHIBA(千葉市)で開幕した「PIST6 Championship」。すでに数多くの名シーンや名勝負が生まれているが、PIST6で勝利した選手たちはどのような感想を抱いているのだろうか。今回netkeirin編集部ではセカンドクォーターラウンド2で優勝した伊藤旭選手にインタビューを実施した。父の影響を受け6歳から自転車に触れていた伊藤選手。学生時代に全国制覇を果たし、仲間の言葉でプロの道へ。優勝を決めたレース回顧はもちろん、さまざまな話を聞かせてくれた。※インタビューはオンラインで実施(取材日:2022年7月4日)

Photo by Kenji Onose

■6歳から始まる伊藤旭の自転車人生

ーー自転車との出会いはマウンテンバイクと聞いています。改めて自転車との出会いや学生時代について教えてください。

 父親の趣味がマウンテンバイクで、自分も6歳ごろから自転車に乗るようになりました。中学校にあがってからはロードレースもやるようになり、気づいたら高校でも自転車をやっていた感じです。

ーーマウンテンバイクに乗っていた当時の思い出はありますか?

 自転車は楽しくやってたんですが、父親が厳しくてキツイ部分もありましたね。そんな大きな大会には出ていなかったんですが、草レースには出てました。負けたら絶対に父親からの説教がありました(笑)

ーー九州学院高校時代に選手養成所受験に向けて、短距離に転向したと聞いています。なぜ競輪選手を目指すことを決断したのでしょうか?

 高校2年の最後までは長距離メインでロードレースを走っていて、大学へ進むという道も頭にはありました。でも同期の松本秀之介が「競輪学校へ進む」と言ってたので、秀之介が行くなら自分も行きたいなと思い決意しました。

ーー松本秀之介選手の影響が大きかったわけですね。

 そうですね、秀之介の存在は大きかったと思います。秀之介とは種目が違ったので練習内容は多少違いましたが、家族よりも秀之介と一緒に居る時間が長かったくらい、一緒に頑張っていました。

ーー養成所時代はPIST6でも活躍している青野将大選手と同じクラスだったと聞きました。養成所時代に印象に残っているような思い出はありますか?

 コロナ禍ということもあってなかなかイベントごともなかったんですが、学校での10ヶ月間は仲間と切磋琢磨することがとても楽しかったです。青野さんとはクラスが同じだったこともあって、朝の点呼から夜の点呼までずっと一緒でした。まともな話は特にしなかったんですが(笑)、とても仲良くしてもらってました。

ーー2020年5月のデビューから2年、ここまでのプロ生活を振り返っていかがですか。

 デビューして1年以内でS級に上がろうと目標を立てていました。特別昇級でS級に上がれたので、その点は良かったと思います。でもS級での場数が少ないため、最初のうちは慌てる部分も多々ありました。今はしっかり落ち着いて立ち向かって戦えてるかなと思います。まだまだ満足していないので、これからもっと頑張ります。

©︎PIST6

■学生時代、ケガを乗り越え全国制覇へ

ーー学生時代には輝かしい自転車競技の成績を残している伊藤選手ですが、自転車競技時代を振り返って今思うことはありますか?

 高校2年の夏か秋くらいに、腰の分離症を起こしてしまって自転車に乗れない期間がありました。それをきっかけに自転車の乗り方や練習の内容をしっかり考えるようになって、少しずつ結果が出てきました。その成果もあって、全国でも優勝できるようになって、ケガも含めて自分にとって高校3年間はとても重要な期間だったと思います。

ーー腰の負傷は落車とかされたんですか?

 練習のやりすぎじゃないかなと思います(笑)

ーー学生時代はトラックの中でもスクラッチなど中長距離種目に取り組まれていた印象です。競輪選手になった今、当時の経験は活きてますか?

 高校のスクラッチは20人くらいで一人ひとりが敵なんですが、競輪はやはりラインがあるので、当時の経験は活かすのが難しいですね。

ーー全国高校選抜大会ではスクラッチとロードレースで優勝し、2冠を果たしています。大学からのオファーもあったと思いますが?

 そうですね、自転車がある大学はほとんど声をかけてくれました。すごく迷って親にも相談したりしましたが、秀之介が大学には行かずに競輪選手になると言ってたので、本当にその言葉が自分を左右させたかなと振り返っていますね。

ーー高校時代は競輪場での練習もされてたんですか?

 自分が高校へ入学して4日後に熊本競輪場が震災にあいました。それからある程度したら走れるようにはなりましたが、開催はなかったんです。なので競輪場で毎日練習してましたね。

ーー伊藤選手はカーボンフレームにも乗り慣れていると思いますが、PIST6は競輪に比べて走りやすさはどうでしょう?

 競輪の展開を読む力はPIST6に活かせて、PIST6で培うスピード感は競輪に活かせると思うので、お互いに良いところがありますね。相乗効果があると思います。

ーー今回の参戦は久しぶりのカーボンフレームとなりましたが、高校時代の勘はすぐに戻ってきましたか?

 いいえ。カーボンの扱いではないのですが、ギアが大きくなるんで、重たいギアを踏むところに関してはとても手こずりました。

Photo by Kenji Onose

■数か月ぶりのPIST6参戦

ーー初優勝された「セカンドクォーター」ラウンド2は約7か月ぶりのPIST6参戦でした。調整やモチベーションで大変だった部分はありますか?

 最近はバンクでの練習ができてなかったので、カーボンフレームに乗る機会も減ってました。数か月ぶりのカーボンフレームでの実戦だったんですが、タイムトライアルは慣れていない分(タイムが)出なかったですね。1レース目、2レース目までは不安が大きかったです。

ーー準決勝、決勝と同期の青野選手との対決もありました。レース後にはいじられている姿もありましたが、同じクラスだった青野選手を意識した部分がありましたか?

 走っている間は全員が敵だと思っています。でもアップのときから青野さんから言葉で仕掛けられていたとうか、いじられたりしてました(笑)。レースでは特に「青野さん青野さん」と意識してなかったですが、終わってからは青野さん倒せて良かったなという気持ちはありました(笑)

ーー久しぶりの参戦で不安とおっしゃってましたが、結果的に優勝を果たされました。その点を振り返っていかがでしょうか。

 前回PIST6に参戦したときは決勝2着で敗れたので、今回は優勝しに行こうと思ってました。でもメンバーを見たら今まで優勝してきた選手ばかり(笑)。厳しいかなと思う部分もありましたが、優勝できて本当安心しました。

©︎PIST6

■落ち着いたレース運びで見事優勝

ーー決勝は「ペーサーの後ろ」と気の抜けない並び順となりましたが、非常にリラックスしてレースを走っているように見えました。決勝レースが始まり、実際はどのような心境でしたか?

 並びが一番前だったので、しっかり後ろの動きを見て、前に入れる人は入れる、突っ張る人は突っ張ろうと思ってたんで、とても落ち着いて走れたかなと思います。

ーー「強豪が勢ぞろい」といった決勝レースの中で、伊藤選手は非常に落ち着いたレース運びだったように思います。先頭に出たタイミングも抜群のように思いました。伊藤選手自身、レース運びや展開など、決勝レースを振り返っていかがですか?

 後ろには青野さんがいたので、青野さんは前に出そうと思っていました。その次は晝田さんが出てくるかなと思ってたらやっぱり出てきました。あとは前を見ながら、堀江さんが勝負してきたんで自分もそこでしっかり勝負しようと思ってました。

ーー伊藤選手が前に飛び出してから、1番人気の堀江選手が猛追する形となりました。堀江選手の気配みたいなものは感じてましたか?

 脇の下からずっと堀江さんが仕掛けようとしているのが見えたので、しっかり準備して仕掛けれたかなと思います。

©︎PIST6

ーーゴール後も変わらず余裕の表情でした。率直にゴールした瞬間の気持ちを教えてください。

 前回は2着で敗れてたんで、優勝できて本当に嬉しかったですね。

ーーレース後の優勝インタビューで、ご自身の走りを「90点」とおっしゃってました。残り10点の「課題」はどんなところですか?

 足りない10点は、1日目のタイムトライアルが悪かったんで、しっかり練習をしてタイムを出せるようにしなくてはと思いました。それが残りの10点の課題ですね。決勝レースは優勝できたんですが、まだまだ脚力不足も感じたので、90点ぐらいに感じました。

Photo by Kenji Onose

■PIST6と競輪の違い

ーー伊豆ベロドロームでのレース経験もあると思いますが、TIPSTAR DOME CHIBAの走り心地はいかがですか?

 伊豆ベロドロームは高校時代に2回ほど走ったことがありますが、走りやすいのはTIPSTAR DOMEかなと思います。

ーーPIST6と競輪で、走り方やポジションにあえて違いを付けている部分などはありますか?

 特別変えているところはないです。でも自転車の機材が違うのでそこは考えるようにしてますね。

ーー音楽や照明の演出などの感想はいかがでしょうか?

 自分的にはあの入場してからの演出が自分の気持ちをすごく高めてくれるなと思ってて、とても面白いなって思います。普通の競輪と違って“お祭り”みたいな感じもいいと思います。レースに関しても単騎ですし、会場の雰囲気とかは自分に合ってます。

ーー今回も乗られてましたが「LOOK」のカーボンフレームは伊藤選手ご自身のですか?

 そうですね、PIST6が始まるって聞いたんで急いで注文しました。高校時代は別メーカーのフレームに乗ってたんですが、PIST6の他選手も多く乗られてる「LOOK」のフレームには憧れがありましたね。やはりお値段だけあって乗りやすいです(笑)

Photo by Kenji Onose

■休日は父とツーリングへ

ーー学生時代から自転車漬けの毎日かと思います。練習以外で休みの日は普段何をされてますか? リラックス法だったり趣味だったりを教えてください。

 バイクだったり車が好きですね。よく父親とツーリングに行きます。

ーーどんなバイクに乗られてるんですか?

 ハーレーダビッドソンに乗ってます。

ーー地元九州学院時代の同期とは、今でも連絡を取り合ったりしてますか?

 同期は秀之介と自分合わせて3人しかいないんですが、もう1人もレースを走った後にレースの感想を教えてくれるんで、今でも仲良くやってます。

Photo by Kenji Onose

■伊藤旭のなりたい選手像

ーー熊本の同期には松岡辰泰選手もいます。PIST6のことなどは話しますか?

 (熊本競輪場改修の影響で)バンクでの練習ができない分、PIST6へ参加することで重いギアの練習もできて、スピード感も身につくので、「競輪に活かせることが多い」という話はお互いにしてます。

ーー師匠が田川辰二選手ということで、師匠の息子さん田川翔琉選手もPIST6に参戦されてます。田川翔琉選手とは交流があったりするんですか?

 そうですね、兄弟弟子にあたるので「俺のパフォーマンス見といて」とか話しましたね。レースの話よりもパフォーマンスの話ですね(笑)

ーー今後のPIST6への抱負やなりたい選手像について教えてください

 自分の理想としているのは古性優作選手で、キレイなフォームで男気を感じる走りには圧倒されますね。自分も古性選手みたいになりたいと思ってます。PIST6では神山拓弥さんがすごいなと感じます。今年1月の「ZERO」ラウンド4の決勝レースで、木暮さん突っ張って雨谷さんも突っ張って優勝したときはすごかったですね。

ーー神山選手と言えば先日も注目を集めていた河端朋之選手に勝って優勝しましたが、そのレースはご覧になりましたか?

 神山さんが出てたので気になってレースは見てました。画面越しでは伝わってこないんですが、走っている最中の闘争心というか迫力みたいなところを人一倍感じる選手なので、そこは見習っていきたいなと思ってます。

ーー最後にPIST6と伊藤選手の活躍を楽しみにしているファンのみなさまに、一言メッセージをお願いします!

 次いつ走るかわからないんですが、PIST6に参戦した際はしっかり盛り上げられるような走りと1着目指して走りたいと思います!

◆伊藤旭選手のプロフィール(取材時)

出身  :熊本
生年月日:2000/5/8
班級  :S級2班
府県  :熊本
身長  :171.3cm

【SNSはコチラ】
伊藤旭選手 Twitter


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