2021/03/24(水) 10:00 0 5
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GⅠ・GⅡ・GⅢ・FⅠ・FⅡのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今週は誰が好プレーにノミネートされたのでしょうか⁉︎
前田記者の直筆解説と一緒にお楽しみください。
準決勝10レースで遅咲きと早咲きの桜が乱舞した。軍配が上がったのは姥桜の方。 15年間、地域の樹木として伊勢松阪市の職員としてひたすら幹を太くしていた…。
“Civil Servant(シヴィルサーヴァント)”。
ナイト、パラディン、ロード、アスパイアラントなど、騎士の称号のような響きだ。「シヴィルサーヴァント」。
史上初の早期卒業制度で寺崎浩平(27歳・福井=117期)とともに競輪選手養成所を出てきた、ニューヒーロー・菊池岳仁(21歳・長野=117期)との対戦だった。
残り2周の赤板(※1)、抑えてきた菊池を突っ張るのはシヴィルサーヴァント・皿屋豊(38歳・三重=111期)。
菊池の抑え方が甘かったとはいえ、残り2周。突っ張るのには勇気がいる。公務員という堅実なイメージはそこにはない。下げた菊池は打鐘でもう一度襲い掛かってくる。
15年間、派手に咲いたことなどなかったかもしれない。が!今、咲いている。盛る菊池を封じ、3着に残り何とか決勝進出。
今回の好プレーポイントは、走りそのものと公務員からの転身というストーリーが、“見る者の心を揺さぶった”。
もちろん、後ろにいたのがこのシリーズで引退する林巨人(37歳・愛知=91期)だったことも力が出た一因。皿屋の人生の歩みに対する称賛を含め、星4つの評価としたい。
すごいで賞=星★★★★☆
※1:レースが残り2周を選手に知らせる表示板のこと