2021/12/16(木) 16:00 0 12
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は名古屋競輪場で苦境を打開する好プレーを紹介! 前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
12月9日、名古屋競輪場で開催されたミッドナイト競輪の初日。ガールズケイリンのレースだ。
予選1の2Rで、腹を殴られるような走りを刈込奈那(20歳・千葉=120期)が見せた。苦境を打開する、とにかく「光を! 」と求めるような走りだった。
残り2周の赤板で、最後方にいた刈込は、刈り込み始めた。ゆらゆらと車体を揺らしながら、バンクの中段辺りへ。どうした!? 何をするんだ!? 見慣れない光景に無観客の場内がざわつく。画面越しのファンは、「おりょりょりょ」と前のめりになったことだろう。
隊列を整えている6人とは離れたイエローライン付近。打鐘に合わせて踏み上げる。
「刈り込みます!」。
最終バックではつかまってしまうが、健気な、挑戦する気持ちは何物にも代え難いものがあった。ただ先行するだけでは、厳しい。じゃあ、何ができるか、何をしようか…。
ともすれば小さくまとまってしまいそうな中、大きな道を切り開こうとした。代謝に関わる点数のこともあるが、刈込は挑戦を続けている。何度壁にぶつかっても、立ち上がる。それも、ただ同じことをするのではなく、できることなら何でもやっていこうという気概にあふれる。熱い走り、人生の教訓を与えてくれる走りに★3つだ。これからも、刈り込んでいけ!!
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)