2021/11/25(木) 19:30 0 8
この道60年、九州の競輪専門紙「コンドル」の名物社長・武田一康氏がお届けする“コンドルの提言”特別編。「朝日新聞社杯競輪祭」の振り返りです。コンドルの社長の目に、2021年の競輪祭はいったいどのように映っていたのでしょうか。どうぞご覧ください。
コロナ禍で取材規制は厳しく、選手のコメントは限られ、レースがスタートすれば共同会見で上位の着に限られて、その他の選手はメンバー発表時の作戦面だけと例年と違う事に戸惑いもありましたが、コメントが無かった時代に戻った様で、選手の言い訳を聞く事もなく、眼力を信じて好・不調を割り出した予想が随所ではまり、私的には最高に近い予想を提供出来たと自負してます。
絶好調だった選手が突然崩れたり、不調の選手がセッティングをいじったのか急に良く成った例も勿論ありましたが、これも人間が走るから「競輪」の良さであるのかも。
優勝で初グランプリを決めた吉田拓矢には目に見えない神風が吹いたのは事実。ラインの力で決勝に駒を進めるや、単騎で獲ったのは九州との相性。記念初Vは昨年の佐世保記念、2度目は今年の久留米記念、何れも捲り追い込み。それにリレー式で開催されてた豊橋FIで末弟の有希(119期)が優勝したのも力に成ったのでは。
そして地元、北津留翼・園田匠の神懸かった大活躍、これで場内は興奮のるつぼと化し、それが全国の場・サテライトそして家庭で楽しまれてるファンに波及したのが決勝戦の売り上げ14億円。
これが決め手に成り、大風呂敷を広げた120億円の目標を1億以上もオーバーしたのはこれ全て施行者の熱意とJKAの徹底したコロナ対策もですが、最高の功績は6日制のナイターでガールズを前半3日、それも後半のレースにして、ガールズグランプリにAとBチーム(トパーズ・アメジスト)から選ばれるシステムと、男は108名全員が5走出来るもので、トライアルをポイント制にする企画を出した九州競技会の手腕。
それ以上はマンネリ打破を第一に掲げてファンに新鮮な組み合わせを提供した番組マンの英断。そして毎日1R前の約一時間、特設ステージ(リモート)で全レース解説に、予想をした「私」と、1〜6R迄CSで解説した「弟」も少しは売り上げに貢献したものと思ってる次第です。
理想はもっとオープンに選手取材をやれたなら更に売り上げは伸びたとは思いますが、それは次回に期待します。来年は更に新陳代謝(世代交代)は進み、勢いある自力型の競演で盛り上がり、若いファンを取り込み、120億でなく150億を目指せる大会に成るのでは。私も1年間全力で勉強して来年に備えます。