アプリ限定 2025/11/24(月) 01:27 0 7
初日から波乱の連続となった競輪祭。清水裕友がまさかの予選敗退という大アクシデントで幕を開け、そこからS班残留を懸けた岩本俊介、新山響平、松浦悠士、犬伏湧也、さらにS班復帰を目指す深谷知広、山口拳矢、佐藤慎太郎ら豪華な面々が次々と敗退した。賞金9位の深谷を除き、今年のグランプリ出場はすでに絶望的な状況となった。
さらには準決勝で今年のグランプリが実質的に決まっている眞杉匠、郡司浩平まで敗退してしまったため、決勝戦へ勝ち進んだS班は古性優作ただ1人となってしまった。波乱の予感が漂う決勝戦、まずは出場メンバーの過去のG1戦績についてチェックしていこう。
過去3年のG1決勝成績
| 競輪選手名 | 回数 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 古性優作 | 15 | 33.3% | 53.3% | 80% |
| 荒井崇博 | 2 | 0% | 0% | 0% |
| 松井宏佑 | 4 | 0% | 25.0% | 25.0% |
| 山田久徳 | 0 | 0% | 0% | 0% |
| 吉田拓矢 | 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
| 阿部拓真 | 0 | 0% | 0% | 0% |
| 山田英明 | 1 | 0% | 0% | 0% |
| 渡部幸訓 | 3 | 0% | 0% | 33.3% |
| 松本貴治 | 3 | 0% | 33.3% | 33.3% |
過去3年でG1優勝があるのは2名。絶対王者古性優作と今年のダービー王に輝いた吉田拓矢だ。
特に古性は期間中5度優勝を果たしており、勝率、2連対率、3連対率すべてで圧倒的な成績を残している。今開催も初日こそ5着に敗れたものの、そこから②①①着で取り返してくるのはさすがの一言。今回も実力・経験値を生かして唯一のS班としての貫禄を見せつけるか。
その古性の番手を回るのは4年ぶりにG1決勝の舞台に帰ってきた山田久徳だ。準決勝では最終ホームで眞杉を牽制し、その隙を見てインコースに潜り込んできた山田庸平の奇襲も凌ぎ、古性の捲りにしっかりと追走するパーフェクトな走りで決勝へとコマを進めた。ビッグレースでは過去2回優出を果たしているものの、いずれも9着に敗れ厳しい結果に終わっている。しかし今回は絶対王者・古性の後ろとなればチャンスは十分。この機会を活かせるか。
そして嬉しいG1初優出を決めたのは阿部拓真だ。兄の阿部力也と同じく番手の技術に定評のある拓真だが、今開催は連日自力か単騎と、苦しい番組構成となってしまった。しかし、自在性を活かして好位置をキープし続ける巧みなレース運びで決勝まで上り詰めた。タテ・ヨコ両方備えている総合力の高さを生かして、初の決勝だろうが遠慮せず、同期・吉田拓矢の番手から突き抜けを狙う。
次に23日に発表されたコメントをもとに、各選手の位置別成績を表にまとめた。
決勝戦の並びは細切れの4分戦となり近畿が古性優作-山田久徳、そして残りの3組はすべて即席で松本貴治-荒井崇博、松井宏佑-渡部幸訓、吉田拓矢-阿部拓真、そして九州の山田英明は単騎となった。
過去3年の位置別成績
| 競輪選手名 | 位置 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 古性優作 | 先頭 | 45.9% | 69.7% | 78% |
| 荒井崇博 | 番手 | 33.3% | 45.4% | 57.9% |
| 松井宏佑 | 先頭 | 32.2% | 54.1% | 63.1% |
| 山田久徳 | 番手 | 28.0% | 51.7% | 62.2% |
| 吉田拓矢 | 先頭 | 33.3% | 51.4% | 62.5% |
| 阿部拓真 | 番手 | 34.6% | 57.0% | 64.5% |
| 山田英明 | 単騎 | 16.7% | 58.3% | 58.3% |
| 渡部幸訓 | 番手 | 26.8% | 51.2% | 65.9% |
| 松本貴治 | 先頭 | 22.7% | 39.5% | 56.4% |
勝率46%という、頭一つ抜けた好成績を誇るのは、やはり“絶対王者”古性優作だ。近況ビッグレースでは番手を回ることが多い古性。しかし今開催はすべて自力で戦う番組を組まれたが、縦横無尽な立ち回りで最後は捲りで仕留めるという王者の走りで他を圧倒した。
一方、最も勝率が低いのは現在賞金10位の松本貴治だ。勝率は古性の半分以下と心配なところではあるが、今開催では初戦から3走連続で本来のスタイルではない先行勝負を敢行し、新山響平、寺崎浩平といった超一流の自力選手を封じ込めるなど、抜群の動きを見せている。過去のデータで劣っていても、今のデキであれば、上位争いに加わる可能性は十分だ。
そしてダービー王・吉田拓矢も勝率は33%と上々の成績でここも当然見逃せない存在だ。番手を回ることも多い吉田だが、今開催の予選2走目では中野慎詞の番手にハマった取鳥雄吾の番手捲りのさらに上を行く捲りで白星を挙げるなど、自力でも力はトップクラス。ここは阿部拓真との同期連係で気合も入るはず。ダービー王としてここも力強い走りで魅せる。
今年のダービー以来の優出を果たした松井宏佑も勝率から3連対率まですべて高水準の数字を残している。前走の小田原記念の決勝戦、そして今開催の準決勝と郡司浩平に誘われて1着を獲得している松井。地元グランプリの舞台で郡司と共に戦いたいという思いは間違いなく強いことだろう。ここは東北の仕事人・渡部幸訓の援護を受けながら、強い気持ちで夢の大舞台への切符をつかみ取る。
65%という高い3連対率を誇る渡部幸訓にも要注意。今年はビッグレースで一度も準決勝にすら進めないという苦しい日々が続いたが、準優勝を果たした11月の松阪記念あたりから状態が急上昇。今開催は二次予選、準決勝と前を託した選手が不発に終わり、最終3コーナーで依然後方に置かれる苦しい展開となるも、熟練のテクニックとタテ脚を活かして狭いコースでも突っ込むしぶとい走りで勝ち上がってきた。今回前を託す松井とは他地区ながら連係実績も豊富で力は出せるはず。新山が敗れ、来期S班0人の危機に陥っている北日本勢の救世主となれるかどうか。
メンバー中、半分以上が今年ビッグレース初優出というフレッシュな面々で行われる決勝戦。S班古性、ダービー王吉田が貫禄を見せつけるのか、それとも大逆転でグランプリ出場権を掴む者が現れるのか、絶対に見逃せない一戦だ。
