アプリ限定 2025/10/25(土) 20:36 0 13
10月になりグランプリ争いも激しさが増す中、今開催も毎日波乱の連続だった。初日は郡司浩平が失格、松浦悠士・脇本雄太が当日欠場で姿を消して、決勝戦に残ったS班はわずか3人という結果になった。
現状賞金的にグランプリ圏内に位置しているのは決勝メンバー9人中2人のみと、新たなグランプリ出場者が誕生しそうな気配も漂っている。まずは出走メンバーの過去3年のG1決勝成績を比較してみよう。
過去3年のG1決勝成績
| 競輪選手名 | 回数 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 古性優作 | 14 | 35.7% | 57.1% | 78.6% |
| 吉田拓矢 | 5 | 20% | 20% | 20% |
| 清水裕友 | 5 | 0% | 40% | 40% |
| 小倉竜二 | 0 | 0% | 0% | 0% |
| 嘉永泰斗 | 0 | 0% | 0% | 0% |
| 恩田淳平 | 0 | 0% | 0% | 0% |
| 松本貴治 | 2 | 0% | 0% | 0% |
| 河端朋之 | 2 | 0% | 0% | 50% |
| 犬伏湧也 | 4 | 0% | 25% | 25% |
過去3年でG1優勝があるのは2名。現在当大会を2連覇中の絶対王者古性優作と今年のダービー王に輝いた吉田拓矢だ。しかし共に優勝したときは番手回りだったため目標不在の今回も同じように上手く行くのか? という点は考慮する必要がありそうだ。
3度目のG1優出となった河端朋之は過去2回の優出は共に直近2年の当大会。23年は決勝6着、24年は決勝3着とじわじわと順位を上げてきているが今年は1着まで届くかどうか。
悲願のG1初優出を決めたのは嘉永泰斗と恩田淳平だ。嘉永は前走のG2「共同通信社杯競輪」でも優出を果たし、その決勝戦では落車の煽りを受けながらも確定板まであとわずかの4着というところまで迫っているように、ビッグレースでも戦える力を示しているため初G1決勝でも割り引く必要はないだろう。
恩田もG2では24年の「共同通信社杯競輪」で1度優出経験がある。その決勝戦では前の眞杉匠の捲りに何とか食らいついて3着に食い込むなど、マーク技術とガッツは一級品だ。何といっても今回の舞台は地元の前橋バンク。ダービー2着の実績を残した偉大な父・恩田康司も届かなかったG1制覇を地元で成し遂げられるかどうか。
次に25日に発表されたコメントをもとに、各選手の位置別成績を表にまとめた。
決勝戦の並びは中四国5車は分かれての勝負となり四国が犬伏湧也-松本貴治-小倉竜二、中国が清水裕友-河端朋之、地元の関東は吉田拓矢-恩田淳平、嘉永泰斗、そして前年覇者の古性優作はそれぞれ単騎となった。
過去3年の位置別成績
| 競輪選手名 | 位置 | 勝率 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|
| 古性優作 | 単騎 | 25% | 50% | 75% |
| 吉田拓矢 | 先頭 | 32.4% | 50.7% | 62.7% |
| 清水裕友 | 先頭 | 23.1% | 38.8% | 48.5% |
| 小倉竜二 | 3番手 以降 | 0% | 26.1% | 65.2% |
| 嘉永泰斗 | 単騎 | 25% | 50% | 50% |
| 恩田淳平 | 番手 | 24.5% | 41.5% | 51.6% |
| 松本貴治 | 番手 | 33.3% | 47.4% | 57.9% |
| 河端朋之 | 番手 | 24.2% | 39.4% | 48.5% |
| 犬伏湧也 | 先頭 | 34.5% | 53.3% | 62.7% |
好成績を残しているのは自力戦の犬伏湧也だ。別線の吉田、清水は積極型ではないため実質先行1車の展開となりそうな今回だが、直近4か月でバック数20本という高い先行力を活かして番手の松本とのゴール前勝負に持ち込みたい。
その番手を回る松本貴治は直近1年で犬伏と7回連係しワンツーは1度のみ、7月の富山記念では犬伏の捲りに千切れてしまうなどやや息が合っていないように映るのが不安要素ではある。
しかし、今開催は準決勝で松井宏佑の番手を奪取して最終ホームから番手捲りを放ち、1周駆けて押し切ってしまう圧巻のレースを披露しているように松本自身のデキは良さそうだ。今回は優勝に最も近いポジションと言っても過言ではない犬伏の番手というポジションを活かせるかどうか。
犬伏、松本に次いで勝率が高いのが吉田拓矢の自力だ。今開催は連日番手を回る番組を組まれているがもちろん自力脚も強力。前回のG1・オールスターのオリオン賞では松井宏佑、浅井康太を捲りで丸々呑み込んでいるように捲り脚も非常にシャープだ。
展開的にもし先行することになったとしても、番手を回る恩田はしっかりと仕事をしてくれる頼もしい仕事人だ。地元勢として何とか優勝者を出したいところ。
清水裕友は吉田と同様に番手を回る機会が増えてきたが、これまで数々のレースで強力な自力脚を繰り出してきた。ただ吉田とは対照的に近況は自力脚が冴えず、今年のビッグレースでは負け戦を含め自力ではわずか3勝しかしていない。
しかし、そんな中でも決勝戦では輪界屈指のトップスピードを備える先輩・河端朋之の番手を回らずに自分が前でやるという選択をした。自力でも勝負権があるほどの実力者を背負うからにはタイミングを逃さずに積極的に仕掛けたいところ。
そして皆様気になるであろう嘉永泰斗、古性優作の単騎成績はどちらも勝率は25%と何とも言えない成績だ。ただ、2人ともにグレードレースを走る機会が多く、その中で4回に1度勝てているなら決して悪くない数字と言えるだろう。
前述の通り嘉永は前走の共同通信社杯決勝で単騎4着と見せ場十分の走りを見せており、古性も単騎戦となったダービー決勝では吉田-眞杉の関東ワンツーに次ぐ3着と単騎でも古性らしく堅実に着に絡めている。
展開がゴチャつくようであれば2人とも仕留めるだけの脚があるのはもちろんのこと、古性に関しては番手勝負など自ら展開をかき回すことができる技術もある。この2人の存在がレースに大きな影響を及ぼすことは間違いないとみていいだろう。
賞金上位の古性、吉田が力を見せつけるのか、それとも新たにグランプリへの出場権を手に入れる者が現れるのか、絶対に目が離せない一戦だ。