2025/10/19(日) 10:30 0 4
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は幾多の名レースを繰り広げた51歳の武田豊樹が見せた心で走る好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
別府競輪の「令和7年度施設整備等協賛競輪 GIIIナイター」の2日目、10月17日も偉大なベテランが魅せてくれた。初日特選12Rを55歳の山口富生(55歳・岐阜=68期)が制し、この日は二次予選11Rで武田豊樹(51歳・茨城=88期)が奮迅の走りを披露した。
前を任せた長田龍拳(24歳・静岡=117期)が、2車ながらも強力な九州勢を相手に風を切った。武田はすぐに「練習しているな、と感じた」とその背中、お尻から長田の努力を感じ取ったという。
「応えないとね」
大実績を残し、幾多の名レースを繰り広げ、またどんな大ケガも克服してきた。その男の心に火がついていた。51歳にして、変わらないものがある。
真後ろの3番手に山田庸平(37歳・佐賀=94期)がいる流れ。ピンチといっていい。しかし、武田は車間を切り後続の仕掛けに備える。長田の走りに「応える」ことが使命。
★4つの好プレーだ。3角から2センターに書けて山田のまくりを止めると、内を突いてきた小川勇介(41歳・福岡=90期)の猛襲も肩を入れてこらえ切る。小川も脚のある選手なので容易ではない。
そこを割られると長田も着も変わる。勝負どころを知り抜いた走り。最後はきっちり差し切ってのワンツーに、場内は連日の沸きようだった。すでに輪史に残る偉大な選手だが、「もう少し頑張ってみるよ」と笑った。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)