今年の親王牌は6年ぶりの弥彦競輪場で開催

　第30回寛仁親王牌は6年ぶりに新潟県の弥彦競輪場で開催される。何を隠そう、私が一番最初に足を踏み入れた競輪場がここ弥彦。1992年、今はなき「ふるさとダービー」の取材だった。競輪の「け」の字も知らなかった私は先輩記者に背中を押されるままに夢中で車券を買いまくった。ビギナーズラックとは恐ろしいものでちょっとだけ儲かってしまい、競輪にハマることになる…。今回は初心に返って儲けたい。

　親王牌は世界選手権記念トーナメントのサブタイトルがありドームである前橋で世界選手権が開催されたことをきっかけに誕生したため前橋で開催されることが多い。今年は「施設改修等が評価されたのかも」(弥彦競輪場所長)と新たな施設を備えた弥彦で開催される。セダーハウスという無料で入れる屋内施設は開放感があって快適な空間でトイレはまるでホテルのように美しい。弥彦競輪場は弥彦神社の境内にあって周囲は弥彦山の杉林に囲まれて荘厳な雰囲気。一度は訪れたい場所です。

　今回は事前抽選の当選者のみの入場なのでぜひいつか旅行がてらに行ってみてください。

弥彦の親王牌はズバリ「脚のある追い込み選手」を狙え！

　前橋はドームで335バンクのため絶対的に自力選手が有利。直線が短くて天候に左右されないから。だけど弥彦は直線が長めで追い込みに有利。ならばオレにもチャンスがある、と追い込み選手がほくそえんでるはず。9車立てなのも追い込みにいい材料だ。親王牌は選考基準が他GIと大きく異なり全プロ競技大会出場選手(車券発売のない自転車競技の大会。スプリントとか五輪のような種目を争う)が選ばれる。そのため、S級に上がったばかりの若手が出場できたりしていたが昨年、今年とも全プロが中止になって今回は通常GIとさほど変わらないメンバー構成になっている。さらに大きいのは絶対王者・脇本雄太の欠場。脇本が出場なら脇本軸にすべてが展開される予定だったからすべてにおいてカオス状態だ。今回はズバリ「脚のある追い込み選手」から狙う。

一番のイチオシ選手は地元のあのベテランから

　 一番の注目は地元の諸橋愛(新潟・79期)。前橋開催で脇本出場なら推せないが弥彦　開催で脇本欠場で急浮上だ。弥彦で初めて親王牌が開催された2011年20回大会は初日で失格して契約解除。その後もいいところがなかったが、弥彦バンクと相性が悪いわけじゃない。弥彦記念は2017〜19年に3連覇している。44歳。来年の親王牌は前橋開催が決まっており今回が地元で最後のGIかもという思いはあるだろう。地元で番組的にも優遇されるのは間違いなく、最終4角を番手で回れる可能性が高い。ならば取りこぼしはしない。もし後方に置かれても躊躇なく突っ込める気合もある。常に車券の軸にしたい。

　次は神田紘輔(大阪・100期)。9月松戸FIではあの山口拳矢(岐阜・117期)にきっちりつけきった。あの脚があれば脇本も追走できると楽しみにしていたが、初連係となるはずだった久留米記念二次予選で脇本が当日欠場し、まぼろしとなってしまった。好調の要因は松浦モデルのフレームと若手との練習らしい。追い込みとしてここまで急成長するとは思わなかった(失礼)。グレードレースではまだ結果、存在感を出せてないので今回は穴で狙い目だ。もし同郷同期の古性優作(大阪・100期)と同乗したら差し目、押さえてくださいね。

そして穴なら大森慶一(北海道・88期)。彼も追い込みでもう一花咲かせてくれるんじゃないかといつも注目している。元々はWCC(ワールドサイクルセンター)出身のエリートでともにWCCに在籍していた同期の永井は北京で銅メダルを獲得している。永井は自力のまま、今期はA級に陥落したが、大森は追い込みに転身して輝きを放っている。今回はSS守澤太志が不在で番手も少し上がるかも…。でも3番手を回った時に前を抜いてくれそうでそういう狙い方をしたい。

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