2025/08/28(木) 12:00 0 3
西武園競輪場で28日に初日を迎えたGIIIナイター「ゴールド・ウイング賞」。西武園競輪場 で場立ち予想を行っている、慧眼の勝負師「木村安記」が今シリーズの展望と注目選手を紹介します。
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8月28日〜31日の4日間、西武園競輪場で「ゴールド・ウイング賞(GIII)」が開催されます。
西武園競輪場は400バンクの中でも直線が短く、46.7mしかありません。そのため「まくり」が決まりにくく、直線で外が伸びないのが大きな特徴です。3番手は絶好の位置とは言いにくく、4番手・5番手からの遅めの仕掛けは厳しい展開になりがち。まくりのタイミングが遅れて大本命が不発でギブアップ!! という場面も少なくありません。早めに捕えきらなければ苦しむ傾向にあります。
こうした特徴から、先手ラインが優勢なのは短走路の「サンサンバンク」以上とも言えるほど。先行選手の残り目には要注目で、特に番手はどこよりも有利に運べる競輪場です!
また、西武園は年間を通して風の影響を受けにくいバンクです。「あそこが重い、軽い」といった大きなクセはなく、選手がそれぞれの力を出し切れば、結果を出しやすい流れが生まれます。
5月、突如引退して輪界を去った“プリンス平原”。そのさみしい現実はありますが、うなだれている時間はもったいないですよね!
大将を失ったならば「俺が埼玉を仕切る!」ーーそんな期待を背負うのは、若頭・森田優弥。間違いなくニューリーダーの存在です。さらに、年齢を重ねてもまだ上を目指す宿口陽一、時に輝くど真ん中に立ちたい“関東一の黒子”武藤龍生、ガッツで這い上がってきた中田健太。この3人が精神的中枢となります。
若手で注目したいのは、全力投球の“特攻隊長”山口多聞。年明けから春先までは低迷しましたが、直近3場所ではFI戦ながら連続優出を果たし、上昇気流に突入しました。
また、“もうひとりの森田”なんて言わせないためには勝つしかない森田一郎。まだ大きな結果は残していませんが、まずは「ライン貢献」の2文字を胸に、勝負に挑む姿に期待です。さらに、地元GIIIの正規配分出走は初となる高橋広大。参加するだけで満足せず戦ってほしいところです。脇役に徹する気はない久木原洋は、埼玉屈指の底力を誇る存在。先行での原点回帰を狙う太田龍希の再燃にも注目したいところです。
S級S班・眞杉匠は昨年4月、この大会を単騎で制覇。現在は吉田拓矢と連係する姿も見られ、別線となれば当然脅威です。勝ち上がりの段階では埼玉勢との共闘も想定されますが、決勝で別れれば仁義なき戦いに突入。競輪ファンを興奮の坩堝へと誘うはずです。
2場所前のGII玉野、前走GI函館と停滞が続くS級S班・新山響平。心配の声もありますが、主導権を握りやすい西武園バンクなら持ち味を発揮できるはずです。また、堅実なアシストから差し切りまで狙える成田和也、「限界?気のせいだよ!!」を合言葉に上向きつつある佐藤慎太郎のレース巧者ぶりも見どころ。さらに、FI岸和田で3連勝を飾った新田祐大は、まだまだ一波乱を起こせる存在です。
切れ味鋭い“まくり”がようやく戻ってきた山口拳矢。記念クラスでは優勝候補に数えられますが、目標は見当たらないしまくり屋には向かないバンクになるし、位置取りがカギとなるバンクだけに、好位を掴めるかどうかが焦点です。そして「誰か前を回るならそれでいい、居なければ自分でやる!!」ーーそんな声が聞こえてくる南修二。このところ充実した走りを見せ、目標があれば信頼度はさらに増してきます。
特にケガがあったわけではないのに、なかなか勝てなくなった伊藤旭。そして、年明けから度重なる落車に苦しみドン底に落ちた伊藤颯馬。九州の“革命コンビ”はここから復活を期します。伊藤旭は2場所前のGIII富山からキレが戻り、伊藤颯馬は前走GI函館で1着こそなかったものの、苦しい中で粘り強く食らいつくレースを披露しました。ここから調子を上げていく2人には要警戒です。
特別競輪で初勝利を挙げたのは約7年前、前橋の寛仁親王牌(GI)。当時は「デカいことをやってのける!」と大きな期待を集めたが、その後は伸び悩み低迷。下からは次々と新鋭が突き上げてくる中、埋もれてしまうのか、それとも再び這い上がるのか…まさに今が別れ道。まくりもあるが、最大の魅力はやはり粘り強い逃げ脚。先手有利な西武園バンクなら、モタつかず距離を踏んでこそ真価を発揮できる選手だ。
まくり決着が多いが、逃げても戦える万能型。なかでも鋭いカマシは大きなセールスポイントで、西武園バンクでは十分に有効。ただし場面によっては苦戦も予想され、むしろ穴候補として光る存在。番手に格上選手がつくなら、その貢献度はさらに上がるだろう。展開の見極めが勝負の分かれ目となる。
記憶に新しいのは7月のGIII小松島・最終日。番手・桑原の仕事に助けられたとはいえ、不調だった古性優作をまくり不発に追い込み、自らは逃げ切り勝ち。脚力に加えて勝負強さも持ち合わせる選手だ。スタンスは「何でもやる」。ゲリラ戦でスキがあればロング仕掛けもいとわず、番手が堅実ならそこからの狙いが立つ。位置取りを巧みにこなしてのまくり、格上自力には番手をターゲットに捌いて追い込みーー大物食いで穴配当を演出できる頼もしさがある。
馴染みは薄いかもしれませんが、西武園競輪場は狭山湖や多摩湖といった湖、そして豊かな森林に囲まれた自然の中にあります。早めに訪れて緑に癒やされ、気持ちをリフレッシュしてから戦闘モードに切り替える--そんな楽しみ方もおすすめです。さらに隣接する「西武園ゆうえんち」は、2021年に昭和レトロをテーマに商店街やアトラクションが新設されてリニューアル。8月31日までは水と音楽のショーやプールも開催中で、昼間はお友達やカップル、ご家族で遊園地やプールを満喫し、夕方からはナイター競輪で熱戦を観戦する、そんな一日を過ごすこともできます。 夏の締めくくりに、選手たちの命懸けの闘いをぜひ目に焼き付けてください。全世代、たくさんの皆様のご来場を心よりお待ちしております。
いつもnetkeirinをご愛用いただき、ありがとうございます。的中はもちろん、競輪の真髄・本質・魅力をしっかりお伝えできるよう努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。