アプリ限定 2025/09/01(月) 12:00 0 3
9月12〜15日に福井競輪場で開催される「第41回共同通信社杯競輪(GII)。「自動番組」「若手の躍動」という2つの特徴でおなじみの当大会、まずは選考基準から見ていこう。
【共同通信社杯 選考条件】※開催時S級在籍
(1) 開催時S級S班在籍者
(2) 直近前回の五輪自転車競技トラック種目で1位〜3位となった者
(3) 選手選考対象期間において2か月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班在籍)
(4) 共同通信社の推薦する者3名以内
(5) (1)〜(4)で選抜された者を除く日本競輪選手養成所第111回生から第127回生までの卒業選手のうち平均競走得点上位者25名
(6) FI決勝1位〜3位回数上位者(同数の場合は選考期間における平均競走得点上位者)
(7) 平均競走得点上位者(同点の場合は選考期間における選考用賞金獲得額上位者)
※選考期間は2025年1月〜2025年6月の6か月
「(7)平均競走得点上位者」とあるが実際にはこの条件で出場している選手はおらず、FI優勝1回以上がボーダーラインとなっていた。
特に共同通信社杯の特色が表れているのが(5)の条件だろう。“若手の登竜門”でおなじみの当大会、今年は111期以降の選手が42人選抜された。以下、各期ごとの出場人数、主な選手をピックアップする。
期 | 人数 | おもな選手 |
---|---|---|
111期 | 4人 | 松本貴治、皿屋豊 |
113期 | 8人 | 森田優弥、松井宏佑 |
115期 | 8人 | 佐々木悠葵、藤井侑吾 |
117期 | 13人 | 山口拳矢、寺崎浩平 |
119期 | 3人 | 犬伏湧也、志田龍星 |
121期 | 5人 | 太田海也、中野慎詞 |
123期 | 0人 | - |
125期 | 1人 | 栗山和樹 |
最も出場選手が多いのは117期。上記で挙げた2人以外にも石原颯、鈴木玄人など上位戦線でも戦えている選手が勢ぞろいだ。
そして昨年デビューの125期・栗山和樹も大抜擢。初のビッグレース出場となったオールスターはほろ苦い結果に終わったが、早速リベンジのチャンスが回ってきた。期待の新星の活躍にも注目だ。
そんな若手選手大抜擢の裏で、トップレーサーたちの選考漏れが頻出している。選考漏れした各地区の主な有力選手は以下の通り。
各地区の主な選考漏れ
地区 | 選手名 |
---|---|
北日本 | 守澤太志、渡部幸訓 |
関東 | 吉澤純平、鈴木竜士 |
南関東 | 小原太樹、和田健太郎 |
中部 | 西村光太、山口富生 |
近畿 | 窓場千加頼、村田雅一 |
中国 | 西田優大、町田太我 |
四国 | 佐々木豪、小川真太郎 |
九州 | 北津留翼、山田庸平 |
選考漏れした選手の共通点は、グレードレースのあっせんが多いことだろう。特にS班・ナショナルチーム以外の111期生以前の選手にとって、出場権を取るにはFI戦で実績を重ねるほかない。グレードレースばかりのあっせんではチャンスが限られてしまう。
また、前年覇者の眞杉匠も出場選手の中に名前はなかった。眞杉は選考基準を満たしているが、9月はあっせんしない措置が取られるため不出場。残念ながら連覇への道は途絶えた。
さらに共同通信社杯競輪の最大の特徴といえば「自動番組」だ。通常は番組編成委員によって組み合わせが決定されるが、この大会の一次予選は選考順位、2次予選は着順で自動的に組み合わせが決まる。初日特選のようなシードレースもなく、S班の選手たちも初日から気が抜けない。
昨年の初日7Rではなんと新山響平、太田海也、松井宏佑がいきなり激突しS班新山が初日敗退を喫してしまう異常事態も発生。また昨年の2日目12Rの二次予選Aでは深谷知広、脇本雄太、眞杉匠、清水裕友のS班4人に加えて吉田拓矢、寺崎浩平、北井佑季が集結する「死のカード」が組まれるなど、連日ファンをざわつかせた。
また自動番組が生み出すサプライズ連係にも注目だ。昨年は松井宏佑と山田諒の同期2人がコンビ結成、さらに遡ると2022年には郡司浩平と眞杉匠の超豪華タッグ、2021年には芦澤大輔と芦澤辰弘の兄弟連係など様々なドラマが生まれている。
今年はどんなサプライズが待っているのだろうか。
共同通信社杯競輪の賞金は2900万円と高額だ。現状賞金8位の南修二とボーダー下10位浅井康太の差はわずか543万円(西武園記念終了時点)と大混戦のグランプリ争いに大きな影響を与えることは間違いないだろう。
特殊なシステムを味方につけて年末の大舞台へ近づくのはいったい誰になるのか。波乱必須の一戦を見逃すな。