アプリ限定 2025/07/18(金) 18:00 0 1
高松宮記念杯競輪開幕前の時点ではグレードレースはほぼ関東、南関東、近畿の"3強"で争われてきたが、その情勢に変化はあったのだろうか。本日18日から開幕するGII・サマーナイトフェスティバルを迎えるにあたって今一度、現在の勢力図をチェックしていきたい。今回はKEIRIN.jpで発表されている上位50名の獲得賞金を地区別に集計し、各地区の賞金状況から勢力図を考察する。(※賞金は7月14日時点)
まずは高松宮記念杯競輪前(6月9日時点)はどのような賞金状況であったのかをおさらいしていこう。
地区 | 賞金額 | 割合 |
---|---|---|
北日本 | 1億9481万8248円 | 13.13% |
関東 | 3億2086万5574円 | 21.62% |
南関東 | 2億6929万5240円 | 18.15% |
中部 | 1億266万4548円 | 6.92% |
近畿 | 3億1225万3048円 | 21.04% |
中国 | 9784万8000円 | 6.59% |
四国 | 8596万7500円 | 5.79% |
九州 | 1億41万1948円 | 6.77% |
ダービーでワンツーを決めた関東勢が独走態勢だった近畿勢を一気に逆転し首位に立った。
さて、ここからは現在の勢力図をグラフで見てみよう。高松宮記念杯競輪前(6/8時点)からどのような変化が起こっているのだろうか。そして今後、何が起こりそうかを現状の戦力から考察する。
グラフから賞金上位50名の合計賞金のうち、3地区で6割を独占している状況が見て取れる。
首位をキープしつつ割合も微増させた関東勢。元から眞杉匠、吉田拓矢を中心に分厚い選手層を誇っていたが、宮記念前は賞金ランキング50位圏外だった末木浩二が宮記念優出、地元記念Vで賞金ランキング31位に浮上と大躍進。大きな戦力として加わった。
森田優弥も小松島記念の初日特選で古性優作、犬伏湧也らを捲って白星を挙げるなど勢い十分だ。さらにその他にも佐々木悠葵、小林泰正、坂井洋など強力な自力選手も控えているうえに武藤龍生、宿口陽一らの番手職人も揃っており手が付けられない。
後半戦も選手層の差で他を圧倒することになるのか。
ダービーで関東勢に捲られてしまった近畿勢だが、宮記念決勝でおなじみ脇本雄太ー古性優作の最強コンビがワンツーを決め首位を猛追。
窓場千加頼の不調が痛手ではあるが、その分を寺崎浩平がしっかりとリカバリーして地区全体の勢いを保っている。まだ50位圏外ではあるが谷和也、福永大智らも力をつけており、さらにここから上向いていく気配がある。
脇本、古性を中心に一丸となって最強の座を奪い返しに行く。
割合としては微増だが、2位との差は広がってしまった南関東勢。決して悪い成績ではないのだが、上位戦線で戦えるのは郡司浩平、深谷知広、松井宏佑、岩本俊介、松谷秀幸、和田真久留の6人と、ここ最近顔ぶれに変化がなく新興勢力の登場が待たれる。
青野将大、佐々木眞也あたりが殻を破り、ビッグレースで爪痕を残せるかが上位2地区に追いつくためのカギとなりそうだ。
北日本勢は“3強”から大きく離されての4位。宮記念の決勝には1人も乗ることが出来なかったが、飯野祐太のGIII優勝や佐藤慎太郎の復調など良いニュースもある。
打倒3強のためには新山響平を支える強力な自力選手の出現が必須だ。その候補筆頭となるのは間違いなく小原佑太、中野慎詞のナショナル2人であるが、ビッグレースでは準決勝の壁に阻まれている。ナショナル仕込みのトップスピードを競輪でも活かしていきたいところだ。
清水裕友は宮記念で優出、松浦悠士は弥彦記念で準Vとゴールデンコンビが復調、さらに太田海也の活躍もあり地区全体で3%以上アップの好成績を残した中国勢。
この3人はまだまだ上積みもありそうで、そうなればこの勢いのまま4位を飛び越えて3強をも脅かす存在となるだろう。
中国の先陣を務め続けてきた苦労人・取鳥雄吾もそろそろこれまでの頑張りが報われる瞬間が来てもいいはずだ。自力脚は一級品で清水、松浦、太田と力を合わせればまだまだ上を狙えるだろう。
前回から割合はほぼステイの四国勢。犬伏湧也は本来持っている能力を考えればやや物足りない成績となっているが、石原颯、松本貴治、小倉竜二の好調により何とか踏ん張っている。
犬伏、石原のほかにも勢いある若手の登場が切望される。絶好調の中国勢と力を合わせつつこの苦境を乗り越えていきたい。
依然苦境に立たされている中部勢。浅井康太の孤軍奮闘という状況は変わらず、浅井の前で戦える選手の登場が待たれる。
本来であれば浅井と共に上位戦線で戦わなければならない山口拳矢と纐纈洸翔は共に先日の川崎FIで優出を逃すなど不調に苦しんでいるが、ここから状態を上げていけるだろうか。
九州勢はダービー前の6位(9.71%)から最下位に転落。なおかつ賞金50位圏内は3人のみと苦しすぎる現状に悩まされている。
今年はまだビッグレースで誰も決勝に勝ち進めていないが、嘉永泰斗、伊藤颯馬、荒井崇博など上位で戦える能力を備えている選手は間違いなくいる。
ポテンシャル的には急浮上も大いにあり得る地区だ。一刻も早くそのキッカケを掴みたい。
昨年までのサマーナイトフェスティバルの賞金は勢力図を一変させるほどのものではなかったが、今年から2900万円に倍増したことで勢力争いにも大きな影響をもたらすだろう。そのサマーナイトフェスティバルの各地区の出場者数、そして各地区の出場選手の中で今年賞金上位の選手をピックアップする。
地区 | 出場選手 | 代表選手(賞金順位) |
---|---|---|
北日本 | 17 | 新山響平(8位) |
関東 | 20 | 吉田拓矢(1位) |
南関東 | 15 | 郡司浩平(5位) |
中部 | 8 | 浅井康太(9位) |
近畿 | 14 | 古性優作(2位) |
中国 | 9 | 清水裕友(17位) |
四国 | 7 | 犬伏湧也(16位) |
九州 | 18 | 山田庸平(23位) |
出場数が最も多いのは関東勢。バランスの揃った戦力でさらに他地区を突き放しにかかる。
九州勢は関東勢に次いで2番目に多い18人で臨む。数の利を活かして逆襲を誓う。
いよいよ25年シーズンも後半戦、年末に覇権を握っているのはどの地区になるのか。地区の勢力争いという観点にも注目しながらサマーナイトフェスティバルを楽しんでほしい。