アプリ限定 2025/04/28(月) 12:00 0 5
29日から名古屋競輪場で開催される「日本選手権競輪(GI)」。今回は、3月に行われたGII「ウィナーズカップ」で存在感を発揮し、今シリーズも活躍が期待される寺崎浩平をクローズアップ。直近2年間の戦績データを分析、また脇本雄太や古性優作との連係実績や新山響平、犬伏湧也らライバルたちとの勝敗なども調査した。
▶︎日本選手権競輪特集
近畿を代表する徹底先行だった寺崎浩平が、完全に戦法をチェンジし先行を封印していることがデータから読み取れる。以下、2023年4月〜24年3月の1年間(表①-1,2)と、24年4月〜25年3月までの1年間(表②-1,2)のビッグレースでの戦績を表にした。直近1年間とその前の1年間では、HB数はもちろん、B数だけを見ても激減していることがわかる。
■表①-1:2023年4月〜24年3月 寺崎のGI、GII戦績
開催 | 特予 | 1予 | 2予 | 準 | 決 | 特別 | 敗 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
①平塚GI (23年5月) | 4B | 7 1HB 3HB | |||||
②西武園GI (23年8月) | 1HB 1HB | 7 | 4HB 9 | ||||
③青森GII (23年9月) | 5HB | 9H | 1 1HB | ||||
④弥彦GI (23年10月) | 2B | 2 | 4 | 9HB | |||
⑤小倉GI (23年11月) | 1B 3 | 2HB | 9 | 8HB | |||
⑥岐阜GI (24年2月) | 8HB | 2 | 9HB | 4 | |||
⑦取手GII (24年3月) | 1HB | 4 | 1 2 |
■表 ①-2:2023年4月〜24年3月 寺崎のGI・GII着順データ
出走数 | 1着数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 | |
---|---|---|---|---|---|
特予 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
1予 | 8 | 4 | 1 | 1 | 2 |
2予 | 6 | 0 | 3 | 0 | 3 |
準決 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 |
決勝 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
特別 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
敗者 | 12 | 4 | 1 | 1 | 6 |
■表②-1:2024年4月〜25年3月 寺崎のGI、GII戦績
開催 | 特予 | 1予 | 2予 | 準 | 決 | 特別 | 敗 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
①いわき平GI (24年5月) | 1 | 2 | 8 | 9H | |||
②岸和田GI (24年6月) | 1HB 1 | 7HB | 9H | 9 | |||
③松戸GII (24年7月) | 4 | 5HB 9 | |||||
④平塚GI (24年8月) | 2B 5HB | 4B | 7 9 | ||||
⑤宇都宮GII (24年9月) | 1HB | 6 | 1 9HB | ||||
⑥弥彦GI (24年10月) | 1 | 1 | 9H | 4 | |||
⑦小倉GI (24年11月) | 4 1 | 2 | 1 | 9H | |||
⑧豊橋GI (25年2月) | 9 | 2 | 1B | 2 | |||
⑨伊東温泉GII (25年3月) | 1 | 2 | 8 | 1 |
■表②-2:2024年4〜25年3月 寺崎のGI・GII着順データ
出走数 | 1着数 | 2着数 | 3着数 | 着外数 | |
---|---|---|---|---|---|
特予 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 |
1予 | 9 | 5 | 1 | 0 | 3 |
2予 | 5 | 0 | 3 | 0 | 2 |
準決 | 6 | 3 | 1 | 0 | 2 |
決勝 | 4 | 0 | 1 | 0 | 3 |
特別 | 3 | 1 | 0 | 0 | 2 |
敗者 | 8 | 1 | 0 | 0 | 7 |
※1:「特予」は特別選抜予選。「特別」は着順にかかわらず準決勝へ進出できるレース。「準」は準決勝、「決」は決勝、「敗」は敗者戦
※2:数字右のHはホーム、Bはバック
直近1年間(2024年4月〜25年3月)の成績と、その前の1年間(23年4月〜24年3月)のビッグレースでの戦績を比べて、データから見えた寺崎の変化は以下の点が挙げられる。
①HBの数が減った
②1着が増えた(勝率26.6%→31.5%にアップ)
③以前の1着は一次予選と敗者戦のみだったが、直近1年間は特別選抜予選や準決、特別レースでも1着を取れるようになった
HBの回数については、
・2023年4月〜24年3月の1年間は、ビッグレースを30走し13回(43.3%)
・2024年4月〜25年3月の1年間は、ビッグレースを38走し6回(15.7%)
と大幅に減っている。そしてHBを取っての1着は、直近1年間では2回だけ。なおBの回数は、2023年4月〜24年3月の1年間は16回(53.3%)、直近1年間は9回(23.6%)。
さらに24年10月弥彦GIから25年3月伊東温泉GIIまでの直近4開催ではHBは1回も取っておらず、Bは1回だけ。また、4開催すべてで準決勝を連対し、決勝に駒を進めている。つまりこの半年でより明確に走りが変わり、その結果としてビッグレース4連続決勝進出を果たした。
ただし、他地区の選手たちも「寺崎は捲り選手」と見るようになっており、直前の武雄GIIIでは最終日にバンクレコードを更新し意地は見せたが、苦戦が続いた印象。"ニュー寺崎"の真価が問われるのは、この日本選手権となりそうだ。
続いて、直近の約1年間で、GIIIも含めたグレードレースでの寺崎と脇本雄太や古性優作との連係実績や、新山響平、犬伏湧也との対戦成績なども見てみたい。
①脇本雄太との連係
寺崎は脇本と約1年間で11回連係している。対戦成績は、寺崎が脇本に5勝6敗。車券的なデータは以下。
11回の連係中、両立車券はわずか1回。そして11回の連係で、寺崎の前回りは10回。2025年に入ってからの直近4回の連係もすべて寺崎の前回りで、そのうち3回、寺崎は脇本に先着している。
②古性優作との連係
寺崎は古性と約1年間で9回連係している(2024年10月の弥彦のGIローズカップと決勝で、古性が寺崎-脇本の3番手を回ったケースも含む)。対戦成績は、寺崎が古性に3勝6敗(別線勝負は除く)。車券的なデータは以下。
寺崎と古性の9回の連係は、全て寺崎の前回り。2回の両立車券は、3月に行われた伊東温泉GIIの、初日特別選抜予選と2日目の毘沙門天賞。ともに寺崎1着、古性2着のワンツーである。大会を制した古性は、優勝インタビューで「強くなった」と寺崎を称賛した。
今年に入ってから、寺崎は脇本に対して3勝1敗、古性に対して2勝2敗。二人と連係した全8レースで6回連対を果たしている。つまり、脇本や古性の前を回っても「自分のレースに徹するようになってきた」と考えてよさそうだ。
①新山響平との対戦
寺崎と新山は約1年間で12回対戦し、6勝6敗で引き分けている。車券的なデータは以下。
②犬伏湧也との対戦
寺崎と犬伏は約1年間で5回対戦し、犬伏に2勝3敗で負け越している。車券的なデータは以下。
なお、全出場選手の対戦成績は、netkeirinの「出走表」から見ることができる。各レースの「出走表」という表示の下にある「対戦表」をクリックすれば、そのレースに出走する選手同士の直近1年間の対戦詳細を見ることができる。車券戦略にぜひ活用してほしい。