2025/03/26(水) 11:00 0 12
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は難しい局面を持ち前の技で勝ち切った松浦悠士の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
3月23日、伊東温泉競輪の大阪・関西万博協賛「第9回ウィナーズカップ(GⅡ)」の最終日が行われた。8R特選は決勝に上がれなかった選手たちの敗者戦。しかし、苦しむ男の奮戦に乗って松浦悠士(34歳・広島=98期)が、全身と、満ちる思いの好プレーを披露した。
苦しんでいるのは清水裕友(30歳・山口=105期)。先頭に立った東矢圭吾(25歳・熊本=121期)を、清水は打鐘前2角、5番手から叩きに行く。何かを打開しようとする思いが見える。
その仕掛けに乗った松浦は、全力でその走りに応えようとする。一番は、迫るまくりをすべて止めること。内を踏み続ける東矢が死に体なのを把握し、まくってくる佐藤博紀(39歳・岩手=96期)の位置を確認する。清水との車間を丁寧に確保しながら、小さな動きで…。
この前団のもつれようではさすがに最後に飛んでくる。脇本勇希(26歳・福井=115期)のスピードは兄・雄太をやや思わせるもの。もうブロックはできない位置。そして、直線に入る。
清水を残し切れないのは仕方ない部分だが、そこで結果を、ラインから結果を出さなくては清水の奮闘は生きない。1着を取らないといけない場所にいた松浦は、ゴールまで脇本に体当たりしてからハンドル投げ。★4つの好プレーだ。このバランス、松浦の良さがあふれていた。
難しい局面を技でなんとかするのが松浦の持ち味だ。それが存分に発揮された。今の清水の状態ではワンツーは難しいのは事実。そこで何ができるか、しないといけないか。頭と心と体をすべて使っていた。苦しい時こその好プレーだった。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)