特進失敗した取手から気持ちを切らさずに9連勝で見事にS級へ特別昇級した阿部英斗。今開催はS級初出走ということで、全集中で臨んだ予選はS級の『壁』を感じさせられた競走だった。

　レースは正攻法の阿部が上がってきた渡邉一成を突っ張って逃げる展開。ある程度ペース駆けできる形に持ち込めたが、格上渡邉の強烈な一撃にやられてしまった。レース後、引き返してきた検車場で開口一番「完全な力負け」と言い切った。

「来る前に先輩達に言われた通り、A級とは違いますね。もっとも、風が強かったりして、何度も踏み直さないといけなかったりもしたのですが、力負けというしかない」とレースを振り返った。

　また相手の渡邉に対しては「渡邉さんは自分が小学校5年生の時に憧れていた選手のひとり。その方と対戦できるという事にびびってしまった。あの時と同じく渡邉さんは強かった」と付け加えた。

「ただ、自分なりに力は出せたし、やるべき事はやれた。予選はダメだったけど、2日目以降も出し切る走りをしたい」とキッパリ。

　修正や反省すべき点はすでに理解できている様子で、すでに気持ちの切り替えもできているようだった。残り2日間の走りも注目しておきたい。(アオケイ・真島記者)