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【全日本選抜競輪 特別企画】S班・眞杉匠の走りを徹底検証! ビッグ決勝は4戦3勝 勝負強さの裏にあるステージごとの戦法チェンジ

アプリ限定 2025/02/20(木) 12:00 0 9

21日から豊橋競輪場で今年最初のGI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」が開催される。関東を代表する26歳のS級S班・眞杉匠も登場だ。先行はもちろん、前々勝負からのヨコ、溜めて一撃狙いと変幻自在の戦いぶりで競輪シーンを沸かせる若き猛者である。そんな眞杉の戦い方の傾向、ガラリと戦法を変えるタイミングなど、直近1年3カ月間のGI、GII出場全レースのデータを分析した。

多彩な戦いぶりが魅力のS級S班・眞杉匠(橙)(撮影:北山宏一)

【Part1】戦法はステージによってガラリと変わる!

 下の表①②は、眞杉匠の直近、約1年3カ月間のGI・GII全戦績である。

■表①:眞杉匠のGI・GII戦績

開催特予1予2予特別
23小倉GI-1HB
1HB
-317
23立川GP----3--
岐阜GI9-17--6
取手GII3HB--落棄-1-
いわき平GI3B--5HB-9H2B
岸和田GI-3HB
1HB
-8-67HB
松戸GII---115-
平塚GI62-392B-
宇都宮GII-2HB41B1--
弥彦GI1--7-2B1
24小倉GI-1HB
1B
-5-4B1
24静岡GP----7--

■表②:眞杉匠のGI・GII着順データ

出走数1着数2着数3着数着外数
特予51022
1予85210
2予21001
準決102026
決勝63012
特別81205
敗者52102
合計44155618

※1:「特予」は特別選抜予選。「特別」は着順にかかわらず準決勝へ進出できるレース(松戸GIIの初日「特別選抜予選」はこちらに含めた)。「準」は準決勝、「決」は決勝、「敗」は敗者戦
※2:平塚GI「ドリームレース」、弥彦GI「日競選理事長杯」は「特予」でカウント
※3:2023立川GP、2024静岡GPは「決」でカウント
※4:数字右のHはホーム、Bはバック

GP除くビッグ決勝は4戦3勝と無類の勝負強さを発揮

 一次予選は8走しBが7回、うちHBが6回で、すべて確定板入り(1着5回)。成績の安定感もさることながら、ほぼ全てのレースをタテでしっかり勝ち上がっている。

 しかし、二次予選、準決勝、決勝は18走してBは2回。一次予選と比べ相手のレベルが変わるので、着外が多くなるのは仕方ないが、レースの組み立て自体を意識して変えていると見ていいだろう。

 ちなみに、特別予選、特別レース、敗者戦は全18走してB7回(うちHB2回)。

 以上を総括すると、一次予選の眞杉は強力な先行選手であるが、後がない勝ち上がり戦はあまりバックを取らない総力戦、それ以外のレースはそこそこバックを取る自在戦とハッキリ走り分けていることがわかる。

 ちなみに準決勝は、10走して3着以内に入った回数は4回。大敗や落車棄権もあり、決勝に勝ち上がれることの方が少ない。しかし決勝は、6回中3回優勝であり、ここからグランプリ2回を除くと、ビッグレースで勝ち上がって決勝に進出したときは、4回中3回優勝という無類の勝負強さを見せている。ただし、グランプリも含め、HとBはゼロである。

 GI、GIIの成績を総合して見たとき、やはり特徴的な数字は、1着の回数が2、3着に比べて圧倒的に多いことだろう。ビッグレースでの勝率34%はさすがである。

眞杉匠が決勝に勝ち上がったときの勝負強さはピカイチ(撮影:北山宏一)

 眞杉の場合、基本的にラインの先頭を走るケースが圧倒的に多い。決勝や特別レースではたまに単騎戦があるほか、番手回りのレースもまれにある。

 ラインの先頭で走る眞杉は、オールラウンダーだ。上記で分析したように、一次予選などで圧倒的な人気を背負って走るケースでは、しっかり主導権を取って結果を出すが、相手と力の拮抗したレースになってくると、一転して組み立てが変わる。後方で構えたり、ヨコも絡めた総力戦を敢行したりと、戦い方のバリエーションが広くなる。

 そのためなのか、眞杉を含めて人気が分散しているレースでは、大穴が出やすい傾向はある。

波乱を呼ぶ男!? 眞杉が出走するレースでは大穴が出やすい傾向(撮影:北山宏一)

【Part2】攻める自在戦が穴を出す!

 以下の表③は、GIIIも含めた眞杉の出走レースにおける大穴一覧である。2023年11月の小倉GI(競輪祭)から2月16日の静岡GIII最終日まで全92レース中、3連単30,000円以上の配当となったレースをピックアップした。

■表③:眞杉匠出走レースの大穴配当

開催3単配当2単配当眞杉の着出走R
23小倉GI32,870円4,390円7特別
23小倉GI848,700円48,260円3準決
岐阜GI34,720円10,840円7準決
岐阜GI129,840円
103,400円
※3着同着
26,300円6
玉野GIII48,420円5,940円6HB初特
玉野GIII127,000円21,420円2HB準決
取手GII35,910円4,030円落棄準決
川崎GIII84,410円9,120円4
いわき平GI65,970円19,350円3B特予
函館GIII51,430円6,480円8準決
高知FII74,030円3,300円8初優
岸和田GI40,810円2,960円7HB
松戸GII105,190円15,770円5特別
松戸GII42,770円11,420円1準決
福井GIII30,220円5,290円8準決
松戸GIII46,590円3,690円5準決
平塚GI42,340円14,180円6特予
平塚GI60,770円13,580円2B特別
宇都宮GII30,440円3,740円2HB一予
宇都宮GII38,140円2,300円1B準決
青森GIII286,150円27,920円8決勝
弥彦GI50,940円5,590円7準決
四日市GIII208,510円26,380円二予
小倉GI30,330円7,150円4B特別

※1:3連単3万円以上の配当を抽出
※2:高知FII(2日制)の「初優」は初日の優秀戦

 表の中で、GI、GIIで5万円以上の大穴が6回あるが、そのうち3回は、眞杉が2着か3着のとき(小倉GI準決、いわき平GI特予、平塚GI特別)。

 眞杉がGI、GIIで2着か3着になる確率は、44レース中11レースで25%と決して高くはない(前章参照)が、そのときに「大穴が出る可能性はかなり高い」という傾向はあるようだ。

2024年9月の宇都宮GII「共同通信社杯競輪」初日一次予選で神奈川の佐々木眞也と激しく競った眞杉(白)は2着。3連単30,440円の配当となった(撮影:北山宏一)
変幻自在の走りと驚異の勝負強さで今年最初のGIも獲りに行く!(撮影:北山宏一)


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