2024/11/19(火) 10:00 0 7
小倉競輪場で19日に初日を迎えた「朝日新聞社杯競輪祭(GI)」。伝説の場立ち屋「木村安記」が地区別の勢力展望と注目選手を紹介します。
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今年最後の大一番、競輪ファン待望の「競輪祭」がいよいよ開幕!11月19〜24日までの6日間、小倉競輪場が熱気に包まれます。KEIRINグランプリに向けて最後の選考レースになり、ここで9名の選手が出揃うことになるので、必ず他のGIとは一線を画してヒートアップした大会になることは間違いありません!
毎年、この大会で獲得賞金で9位の選手が逆転されることはあっても、8位まで抜かれることはほとんどないので、実質的にグランプリへの最後の枠は「残り1つ」と言えます。
決戦の舞台・小倉競輪場は、競輪ファンにはおなじみの全天候型ドームバンク。もちろん雨、風の影響はなく走れる走路で、直線は56.9mとさほど長くありませんが、「高速バンク」と呼ばれている名の通り、早めにスピードに乗せてしまえばまくりは決まりやすく、一気にカマシが冴えればその番手は当然、有利になります。
一方で、後方に置き去りにされると実力派の自力型選手でも一瞬にして大ピンチにハマことも。特に、前をまわる選手が組み立てをしっかりできない時に、ライン全滅に陥る場面を目にすることもあります。
新山響平は昨年、獲得賞金ランキング9位で出場したグランプリで、今年もギリギリの闘いが続いていた。しかし10月の「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」の優出、京王閣記念決勝の2着、四日市記念の優勝で一気に稼ぎ、グランプリ出場に近づいた感はあり、かなり楽になった現状。
国内の競輪で距離を踏めるようになった小原佑太、先日の四日市記念では先行4連チャンで新山に貢献した中野慎詞は頼もしい自力型。中野に関しては勝負どころでまくりならトップクラスをなぎ倒す脚は備わるだけに、勝利執着ならば面白い存在。
もちろん、競輪史上最高のエンターティナー・佐藤慎太郎も実質あとひとつのグランプリ出場はあきらめるはずもなく、北日本の自力型にどこまで誘ってもらえるかどうか。
直前の四日市記念の二次予選で痛恨の失格を喫し、もはや目指すは最強の自在屋なのか?関東のニューリーダー眞杉匠が、勝ちにこだわるだけではなく、グランプリに向けての援軍獲得に躍起になれるかどうか。
長打も放てる関東の中枢を担うまで上がってきた佐々木悠葵、直前のFI岸和田で気配良かった坂井洋あたりにも位置があれば勝機十分。
当然、昨年8月は眞杉に西武園オールスター、今年5月にはプリンス平原をいわき平ダービー制覇に導き、3年前にGI初制覇をはたしたこの大会で吉田拓矢が絶好の番手をまわらせてもらい報われることもあるが、そこにたどり着くまでどう闘い勝ち上がれるかどうか。
総大将、プリンス平原は9月の岐阜記念でヘルニアに苛まれ欠場しと、先月の弥彦「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」、京王閣記念の連続落車の後遺症が心配。しっかり立て直してきたかどうかはまず一走りを要チェックしたいところ。
直前、FIとはいえ地元の平塚を欠場した郡司浩平と松井宏佑はここに向けて万全の構えとみる。すでに2月の「全日本選抜競輪(GI)」獲得でグランプリ出場は決めている郡司だけに、ここ一番は松井の前をまわることはもちろんある。それに北井まで加われば他地区のどのラインより最強。
さらには現在、獲得賞金ランキングで10位に付ける深谷知広は地元のグランプリは何が何でも出る意気込みだし、9位で首の皮一枚繋がっている岩本も勝ち上がりで上手く好位があればサバイバルを凌いで残るチャンスはある。
GIになると毎度、自力型が不足して寂しい布陣になるが、一周イケる強みがあるのは藤井侑吾に谷口遼平。この2人と勝ち上がりで同乗できるなら、あるいは近畿の自力を与えてもらい、まだ、再度の頂点をあきらめていない浅井康太。
まだか、まだか、と期待されながらも、一向に上向かない山口拳矢は文字通りラストチャンスになるが、この舞台でどこまで上げてきたか?それに尽きる。
陰りが見え始めた輪界のラスボス脇本雄太だけど、やはりここ一番の破壊力あるカマシ、まくりはまだまだタイトル奪取は十分あるし、古性優作はその後位からでも、自力でもいつ何時でも闘える最強スナイパー。
援軍には毎度、頼れる南修二と稲川翔の2枚看板のキラーブロッカー。
イキッぶりには疑問アリだが、先日の四日市記念で披露した寺崎浩平の自分だけ届くまくりには一考必要。
ゴールデンコンビの名に相応しくない今年の松浦悠士と清水裕友。グランプリはほぼ圏内の清水にたいして松浦はいよいよ獲るしかない最後の大会になる。しかし自力ではちょいと厳しく、前で太田海也、取鳥雄吾、犬伏湧也、町田太我と万全に揃っているロングヒッターがどれだけ引き出し役を担ってくれるかどうか。
当然、昨年のファイナリスト太田、10月、雨の京王閣記念を古性、眞杉、新山を破り制した犬伏ならばここぞのところでまくりで一撃で掴めるチャンス。
先日の世界選手権で金メダルを獲得した山崎賢人、前走の平塚で急激なる復活をシャキッと決めたニュースター嘉永泰斗、GIクラスでも互角にやれる九州の若大将・阿部将大。自力自在のトータルで勝負できる伊藤旭、ロングライドと勝つレースを使い分けるスケールの大きさは武器になる伊藤颯馬になり、自力型の人材はかなり豊富。
そこに上手くベテラン勢が噛み合えば北津留翼、井上昌己、荒井崇博、英明&庸平の山田ブラザーズにもまだ見えるチャンスはある。
これぞ埼玉の若頭・森田優弥の真骨頂、太田海也の番手・清水裕反を外競り秒殺でキメた昨年の当地、競輪祭の二次予選を皆さまは覚えていますか? 近況、ちょっと頭打ちの感じはするが、前走の熊本でも外併走を苦にしないひとまくり、さらには先行してのネバリ脚に魅力はアリ。勝ち上がり次第では番手の闘いはもちろんやれるしワンランクアップが当然、望める選手になり、勢いはまだある関東の波に乗り遅れない活躍に期待したいところ。
8月の平塚オールスター決勝の2着でグランプリ出場に手が届くところまでやってきて、巧みに位置を取ってのまくりが主戦法。いざとなれば3月の取手ウィナーズカップでは引き出して優勝獲得に尽力した脇本だったり、8月の平塚オールスターで勝利に導いた古性が前をまわりアシストするシーンはありえるところで、勝ち上がりでどこまで自力で踏ん張りきれるか。
今まで、ここぞの場面で松浦、清水の前でどれだけ貢献してきたことか。そろそろ自分の番が来てもいいよね?とも思うわけで。ただ単に逃げるだけではなく、勝つためのレースをしっかりとこなすことができ、まくりにでも力は発揮できる。大砲が揃う中四国ラインだけに、絶好の番手がまわってくれば大チャンス到来。
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