2024/10/31(木) 12:00 0 9
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は新山響平が古性優作を反応させなかった奇襲好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
京王閣競輪場で行われた大阪・関西万博協賛「開設75周年記念 ゴールドカップレース(GIII)」の3日目、10月28日に新山響平(30歳・青森=107期)が渾身の仕掛けを決めた。準決11Rは単騎での戦い。ラインを生かす走りが持ち味で、どう攻めるのか…。しかも、古性優作(33歳・大阪=100期)がいる構成で。
新鋭・西田優大(27歳・広島=123期)が先手を奪いに行き、古性は変わらず前々に踏んで好位置を確保する。打鐘で9番手の新山は、古性が3番手を取り切ったところをめがけて踏んで行く。
高橋築(32歳・東京=109期)が浮かされている外を、強烈なスピードでのみ込んでいく。古性は新山の姿を確認するものの、反応が遅れてしまう。今回の好プレーは、古性に反応させなかったこと、これに尽きる。
新山からすればラインがなくても、持つ距離ではある。ただし、古性に追いかけられて踏み込まれては沈むリスクが残る。自分の仕掛けと古性を置いていくことに成功した★3つの好プレーだ。
ただ、新山としてはラインを大事にする性格なので、もしかしたら「参考外」というかもしれない。分が悪い古性に対して1着だったが、ある意味で奇襲が決まったもの。「古性さんをラインで倒したい」の念を強めたか。
決勝はまくりになり、古性の上をのみ込んで…。やっと久しぶりの優勝かと思いきや、犬伏湧也(29歳・徳島=119期)がさらに外を伸びた。こんなに新山を苦しめる競輪の神様はやはり趣味が悪いが、新山は乗り越えるだけだ。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)