2024/07/31(水) 15:00 0 3
道中は先行した竹山慶太ー須藤直道の3番手回り。堅実にラインの仕事に徹して3着をキープした。先行の3番手がこなす仕事はたくさんあるが、もっとも大事なのは内を締めること。いくら先頭が駆けて番手が仕事をしても、3番手に油断があれば内をしゃくられてラインが分解してしまう。キメ細さが求められる持ち場を伊藤は守り切った。
加えて、細かいところでも重要な仕事をしていた。それは初手の位置取りだ。号砲と同時に飛び出し、3番車の外枠にも関わらず2つ目(中団)を確保した。竹山も「もう、太一さんのおかげですよ。あの位置を取れると思わなかった」と伊藤の好プレーを喜び、俄然やる気になった。感謝する竹山に対し、伊藤は「いや、あれは自分の着が良くなるためだから(笑)。結局はそれがラインのためにもなったってことです」とややテレ気味だったが、さらりとしたもの。
前検日に須藤から「誰もいないときはいつも太一に頑張ってもらっているし、ここは番手を回りなよ」と打診されたが「点数が近いなら回してもらいますけど、今はかなり離れているし3番手でいいです」と固辞した。そんな慎ましさに徳を積んだおかげか、予選6個レースの3着のうち2人しか準決に勝ち上がれない狭き門を最後の最後に突破した。
「準決は自分で動く番組じゃなくてよかった。乗れただけでも」と控えめに喜び、2日目の5Rに挑む。(netkeirin特派員)