GI戦績は古性優作が断トツ

　まずは過去3年のGI決勝成績を比較してみよう。

　S班は昨年のオールスター競輪覇者の眞杉匠と、古性優作、佐藤慎太郎、新山響平の4名が決勝に駒を進めた。GI決勝は古性が14走5Vと圧倒的な成績。次点に8走1Vの新山、6走1Vの郡司浩平が続く。

過去3年のGI決勝成績

選手名	回数	勝率	2連対率	3連対率
郡司浩平	6	16.7％	33.3％	33.3％
古性優作	14	35.7％	42.9％	57.1％
佐藤慎太郎	6	0％	50％	66.7％
守澤太志	5	0％	40％	80％
眞杉匠	3	66.7％	66.7％	66.7％
渡部幸訓	1	0％	0％	100％
窓場千加頼	0	0％	0％	0％
松井宏佑	2	0％	50％	50％
新山響平	8	12.5％	25％	25％

　前年覇者の眞杉は、過去3年で3度のGI決勝のうち2Vを挙げており、勝負強さが光る。北日本の追い込み選手3名は今年初のGI決勝の舞台となるが、揃って3連対率が良く軽視しがたい。

　また窓場千加頼は初めてのGI決勝となる。準決勝では打鐘先行で逃げ切り、古性とともに決勝に駒を進めた。決勝も再び古性との同期コンビで挑む。

初タイトルかかる松井宏佑は前回りとなったが…

　次に17日に発表されたコメントをもとに、各選手の位置別成績を表にまとめた。

　決勝の並びは、北日本が新山響平-佐藤慎太郎-守澤太志-渡部幸訓、南関東は松井宏佑-郡司浩平、近畿は窓場千加頼-古性優作で、関東の眞杉匠は単騎戦となった。

過去3年の位置別成績

選手名	位置	勝率	2連対率	3連対率
郡司浩平	番手	46.4％	60.9%	69.6%
古性優作	番手	32.8％	57.4％	73.8％
佐藤慎太郎	番手	21.6％	48.6％	66.8％
守澤太志	3番手 以降	0％	4.2％	29.2％
眞杉匠	単騎	57.1％	57.1％	71.4%
渡部幸訓	3番手 以降	6.7％	17.8％	40%
窓場千加頼	先頭	25.4％	40.9％	51.9％
松井宏佑	先頭	30％	51.2％	61.1％
新山響平	先頭	23.1％	40.6％	50％

　北日本は4車結束と長いラインになった。連日積極的な走りをしている新山響平は準決勝でも深谷知広と犬伏湧也を相手に逃げ切り白星。好調に見え、決勝も積極策に打って出そうだ。

　格の高いレースでも安定した成績が光る古性優作は、番手成績が若干下がっているのが気になるところ。過去3年で番手を回ったのは61回で3連対率は73.8％と申し分ないが、勝率32.8％は高松宮記念杯決勝時(39％)と比べてやや下がっている。ラインの先頭の時と比べても番手勝率は低い(先頭でのレース数は122回、勝率は41.8％)。

　すっかり単騎で強さを発揮するイメージが定着した眞杉匠。昨年の競輪祭、単騎でタイトルを獲得したことは記憶に新しい。今節、初日ドリームは単騎で6着となっており反省を踏まえた走りをしてくるだろう。 　

　松井宏佑は初タイトルがかかる。タッグを組む郡司浩平はすでにGIを獲りグランプリ出場を決めていて、6月の高松宮記念杯では先行して北井佑季に初タイトルをもたらした。しかしここは松井が前回りとなった。

　松井の位置別成績を見てみると、勝率・3連対率は圧倒的に番手のほうが良い。しかし問題はレース数で、過去3年で番手回りはたった7回しかない。番手の連対率が100％である点を見ても、今回松井が1着しか狙っていないという決意を感じる。

松井宏佑の位置別成績比較

位置	回数	勝率	2連対率	3連対率
先頭	203	30％	51.2％	61.1％
番手	7	71.4％	100％	100％

　松井の初タイトルに関しては、昨年の競輪祭決勝で深谷知広の番手を回ったレースを思い出さずにはいられない。結果は単騎の眞杉の優勝で、松井は2着で涙をのんだ。二人は同期で、ふたたびGI決勝で相まみえる。奇しくもまた眞杉は単騎となり、競輪祭と同じ轍は踏まないと誓っているに違いない。

　いかがだろうか？ いよいよ18日夜、総勢135名の競輪界の“スター”の頂点に立ち、グランプリ切符を手にする選手が決まる。競輪ファンの方はもちろんのこと、初心者の方もぜひ気になる選手から車券を買ってみてほしい。

▼車券の買い方を見る