2024/06/11(火) 10:00 0 8
岸和田競輪場で11日から開催する「高松宮記念杯競輪(GI)」。売れ筋No.1予想屋の「木村安記」が今シリーズの地区別の展望と注目選手を紹介します。
▶︎今日の競輪予想はこちら
▶︎予想が見られるポイントプレゼント
11〜16日までの6日間、能登支援・万博協賛「第75回高松宮記念杯競輪(GI)」が浪切バンクの相性で親しまれている岸和田競輪場で開催されます! 浪切とは特定の地名、施設に由来するわけではなく、波「浪」を沈め未来を切り拓く希望を込めてつけたそうです。
岸和田競輪場は直線56.7mで特にクセが無く、先行、まくり、追い込み、それぞれ持ち味を発揮できる標準的なバンクになります。海が比較的近いので、ときに1センターあたりから舞い込む風の影響を受けることがあるようです。
番組は他のGIとまったく異なり、一次予選から東西にキッチリ別れて闘い、東準決勝、西準決勝を経て勝ち上がった選手が決勝戦で激突。いつも連係している選手が、別線でしのぎを削るレースも多く見られることもあります。
もちろん近畿地区の開催なので、地元勢には注目が集まります。なかでも2022、2023を制覇している古性優作が、高松宮杯3連覇をかけて挑む。輪界のラスボス脇本雄太は、5月のいわき平ダービー(日本選手権競輪)を欠場した腰痛はどこまで回復しているのか…? それが一番気になるところだが、長丁場の6日間だけにちょっと割り引きしたいところ。ナショナルチームを退きそろそろ結果がほしい寺崎浩平、レベルアップを完了させてまだまだ登る窓場千加頼、三谷竜生は再度、頂点を目指す。
ここ一番で距離を踏んで終わりが目立つ新山響平は、プライドをかなぐり捨てて結果を求められるかどうか。ひたすらこだわる先行だけではなく、もう覚えてほしいレースの組み立て。
誘導員早期追い抜きで長期あっせん停止を受けた新田祐大になるが、復帰した直前の前橋記念(三山王冠争奪戦)では、もちろん何も終わっていない豪脚を披露。
こちらも前橋記念で、慎太郎らしい鋭い突っ込みを見せた佐藤慎太郎、SS再登を目指す守澤太志、仕事しっかりこなす成田和也と追い込み勢がきっちりと続く。
大将、プリンス平原康多のダービー制覇で一つにまとまり流れは抜群。年末のKEIRINグランプリ出場に向けて今回は狙いたい貫禄出てきた関東のニューリーダー眞杉匠。勝ち上がり次第で好位をまわれれば、自力あるし好機ある坂井洋。ただ、引き出す役を担うだけではなく、無鉄砲に相手を蹴散らせる埼玉の若頭・森田優弥、地味だけどコツコツやってきた武藤龍生あたりは報われてほしいところ。
報われるといえば、真っ先に外せないのが吉田拓矢。昨年の西武園オールスター競輪で眞杉を、5月のいわき平では平原をダービー優勝に誘ったわけで、“今度こそは!”の想いは誰よりも強い。
先行日本一の称号は今は北井佑季にあり、とにかく他地区にとって存在は脅威。さらには松井宏佑の上昇はかなりのプラス要素なり、自力でも闘えるが順調に仕上げてくるはずの深谷知広、迷走感ある郡司浩平にとって心強いところ。
94期・40歳でも諦めなかった…決して器用ではない自力型の岩本俊介は、いわき平ダービー2着で見えてきた、静岡競輪のKEIRINグランプリの出場権。もちろん若手相手に自分で力勝負もできるし、勝負どころで北井、松井、さらには深谷に郡司浩平と強い味方と走れれば最高の結末へ。
『もう間もなく!』を感じる動きは時々見せるが、まだ完調遠い山口拳矢はどこまで上積みがあるのか。タイトルを獲りもう一度、登りつめるのを浅井康太は諦めていない。しかし、とにかく自力選手の物足りなさは深刻で、勝ち上がり、もちろん決勝で好目標に恵まれるかどうか。そんな中で期待したいのは持ち点以上に格上と闘える、ときに大物喰いするカマシ、まくりで谷口遼平は注目したい一車。
清水裕友は年明けからの絶好調は継続中で、自分で動いても、目標ありきでも、どちらでも獲れる脚は古性と並ぶ競輪界の2大巨頭。その清水の盟友・松浦悠士は、いわき平ダービー準決勝で清水のまくりにあまりに鮮やかに離れてしまった。直前の全プロでも番手で勝てなかったり、SPR賞では清水の3番手をまわり直線で荒井崇博、寺崎浩平に外をイカれて4着という信じ難いシーンを見せた。清水とはまったく逆の方向に下っていき、その辺はとにかく心配になり、どこまで直してきているかどうか。
「いつまで引き出し役を担うのか?」と、もう考える時期に来ている犬伏湧也。勝負どころでひたすら“勝ち”にこだわれるかどうか? 清水、松浦と連係時に貫けるものがあるかどうか。
ニュースター嘉永泰斗の4月の川崎記念(桜花賞・海老澤清杯)。古性、新山、郡司をまとめて破った決勝を目にして、「ダービー制覇も圏内に入った!」と確信したが、そのいわき平ダービーではなんと二次予選敗退…。武雄記念(大楠賞争奪戦)も二次予選敗退欠場、全プロは9着、5着で惨敗とは一体どうなっているのか!? 状態変わらないならまったく勝負にならないし、短期間でどこまで復調してきたか? それがすべて。
前でヤルならまだヤレるしヤルし、先行がいれば頼りになる山田英明、山田庸平の山田ブラザーズ。行く時はしっかり貢献もするし、勝ちにいく時はシビアに奮闘する伊藤颯馬、伊藤旭のダブル伊藤は穴で要注意したい。
行く時、引く時、もう少し組み立てを覚えればもっと勝てる、と単純に思うところはある。例えば5月の函館記念(五稜郭杯争奪戦)決勝戦。郡司を飛びつかせない作戦だったらしいが、『やることやってきたし、もうそんなの考えなくていいから好き勝手に勝とうよ!』の話し。昨年、最後、深谷にあれだけ引っ張ってもらい勝てなかった「競輪祭(GI)」。さらには昨年の「高松宮記念杯競輪(GI)」でも不発に終わった悔しさはもちろんある中で、近況は上向いている感はあり、ここ一番、フィニッシュホールドまくりで仕留める一発に期待。
1月、名古屋FIで初優勝を飾り、やっと出てきた中部の自力型の救世主。もうちょい早く頭角を現してもよかったはずだが、まだまだこれから期待したい一車。勝ち上がりで格上を背負うと機関車役になってしまいがちだが、昨年の宇都宮記念(ワンダーランドカップ)の二次予選で浅井を連れて遅めの仕掛けなんかも見せたことがある。オハコはカマシ、まくりでの一閃で穴を期待したい一車。まだまだ若い、とはいえもう29歳。猛烈に距離を踏むレース、1着にこだわり持って挑むレースを見極めて勝負したいところ。