アプリ限定 2024/03/19(火) 18:00 0 24
2023年はS班4名が入れ替わる激動の1年だった。そして2024年一発目のGI「全日本選抜競輪」では郡司浩平が“S班即返り咲き”を果たし、今年も大きな動きがあるのではないかと予感させた。今年2度目のビッグレース「ウィナーズカップ」を前に、現S班9名と昨年末にS班から陥落した前S班4名の序盤戦の戦いぶりを見ていきたい。なお、前S班4名はウィナーズカップには出場しないことを前もってご承知おきいただきたい。(※賞金は3月12日時点)
2月のGI「全日本選抜競輪」を制し、昨年末12月27日にS班陥落してからわずか47日で“返り咲き”決めた郡司浩平が賞金ランキングトップ。優勝コメントでは「南関を引っ張って、グランプリに1人でも多く乗せられるように」と話し、明るい笑顔を見せた。
一方、郡司が再起を果たしたその日に新田祐大は「先頭員早期追い抜き」の失格を喫し、現時点で出場あっせんが途絶えている。前例から長期の出場停止となる可能性が高く、S班復権は復帰後のタイトル獲得に懸かってきそうだ。
さて、ここで現S班と前S班の選手の賞金状況を見てみよう。賞金ランキング50位以内に入っている10選手をグラフに表した。
気になるのは、昨年まで10年にわたりS班の座を守り続けた平原康多。陥落となった今年はFI戦もコンスタントに走り、玉野記念で通算500勝を達成した。2023年の賞金ランクは27位で終えたものの、今年は9位と上位につけている。
現S班で活躍が目立つのは賞金2位の清水裕友。年初から“強いレース”でGIIIを2度制し、全日本選抜も準Vとハイペースで賞金を積み上げている。
賞金3位の古性優作もGIII優勝が2回。ここ数年、競輪界をけん引する“最強オールラウンダー”は隙のない走りで安定した成績を残している。
一方で、KEIRIN.JPで発表されている賞金上位50名のなかに、現S班の脇本雄太、眞杉匠、山口拳矢の3名が入っていない。
主な要因は、この3名は年初から病気やケガが重なり欠場が多いこと。スロースタートになってしまったが、まだ序盤戦。じゅうぶん挽回は可能だろう。
最後に、S班以外の賞金上位選手を見ていきたい。
やはり目を引くのは119期の北井佑季だろう。31歳でデビューしたオールドルーキーながら“徹底先行”スタイルでスピード出世。全日本選抜で自身初のGI決勝に進み、郡司のS班返り咲きを援護したうえで自身も3着に粘った。
GIでの活躍が光り賞金ランキングは4位につけている。本人も「タイトルを狙う」ことを公言しており、“次期S班”筆頭候補であることは間違いない。
賞金6位には2度グランプリを制している浅井康太の名前がある。高松記念では昨年のグランプリ覇者・松浦悠士擁する4車の地元中四国軍団を破り優勝。5年ぶりのS班復帰へ、上々の序盤戦となっている。(※ウィナーズカップには出場せず)
それから北井と同じ南関地区の松谷秀幸。全日本選抜で優出を果たしたことが大きく、賞金ランク7位につけている。“元Jリーガー”の北井と“元プロ野球選手”の松谷はともに今年自身初となるGI決勝を経験。トップ戦線で活躍する“華麗なるキャリアチェンジ”を遂げており、ウィナーズカップでの活躍にも期待だ。
最後に、ウィナーズカップにも出場する42歳のベテラン南修二に注目だ。昨年後半は共同通信社杯、寛仁親王牌、競輪祭とビッグレースで立て続けに優出。今年も全日本選抜で決勝4着と、追い込み選手には厳しいとも言われる現代競輪で奮闘し、渋く開花している。43歳で初のS班の座につくのも夢ではないだろう。
ウィナーズカップは選考基準の関係で、上位戦線で活躍していても出場権を逃した選手がいる。賞金レースで出遅れてしまった出場選手にとっては挽回のチャンスかもしれない。
4月末には次のGI「日本選手権競輪」も控えている。賞金ランキングはここで大きく動くだろう。GIで活躍しそうな選手を見極めるためにも、ウィナーズカップにぜひ注目してほしい。
注:山口拳矢選手はウィナーズカップ欠場となりました(3/20追記)