2021/06/25(金) 08:00 0 4
東京スポーツの前田睦生記者がGP・GI・GII・GIII・FI・FIIのレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」!
今回はハードな戦いが多かった高松宮記念杯競輪で生まれた好プレーをピックアップ。前田睦生記者の直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
宿口陽一(37歳・埼玉=91期)のGI初決勝初優勝で幕を閉じた「高松宮記念杯競輪」。
ハードな戦いが多かったが、一番の好プレーは3日目(19日)準決勝12レースだったと思う。
佐藤慎太郎(44歳・福島=78期)が見せた“これが競輪”という走りだ。
小松崎大地(39歳・福島=99期)が先行態勢に入る。佐藤も続く。襲い掛かってきたのは深谷知広(31歳・静岡=96期)ー松谷秀幸(38歳・神奈川=96期)の南関コンビ。深谷のスピードは圧倒的だった。遅れずについてきた松谷を1角で飛ばす。小松崎を深谷の番手に迎え入れる一芸だ。『ザ・好プレー』。しかもGIの準決勝。
ラインを生かす技のひとつ。佐藤本人は「深谷を止められれば一番良かったけど」とも話したが、状況を見れば最善だったと思う。動きも小さくロスもない。態勢を整えて直線抜け出す小松崎を差し切って1着。見ている人がうなる走りだった。「普通だよ! 」と言うと思うので★は3つ。
コロナの影響もあってだが、7車立てのレースが標準となった今。佐藤は「追い込み選手はいなくなるよ」と話す。冗談半分、いや冗談2割、本気8割か。それくらい競輪は変わっていくと考えている。
好プレーのコーナーの中だが、少し余談を…。高松宮記念杯は落車、失格で欠場者が多く出て、欠車のレースも発生した。最終日は5車立ても…。
GIに出場する選手たちのどんな走りをファンは見たいだろうか。5車立てで当たりやすければよいのか。GIに出ている選手たちだ。9人のせめぎ合いの中で、それぞれがあらゆる技を駆使し、脚力を競い、気持ちで戦う。実力でしかつかみとれないGIという舞台に出ている最高の選手たち…だ。
コロナさえなければなんということもないが、やはり9車立ての走りを維持できるシステムを整えてほしい。
すごいで賞=星★★★☆☆(星3つ)