2021/06/26(土) 08:00 1 6
ーー久留米競輪場はどういうコースなのでしょうか?
昔はカントがちょっと浅くて先行有利な傾向だったのですが、競走そのものがスピードアップしてきたのと、2013年に走路を改修して、カントがちゃんと立ってクセがなくなりました。だからどの脚質が有利とかはなくて、どの脚質の選手でも走りやすいコースになっていると思います。
ーー残念ながら平原康多選手が欠場してしまいました
欠場は残念ですけど、平原クラスになると変なコンディションで出場してしまうと損ですからね。きちんと力を出せる身体に戻して欲しい。年齢も年齢ですし、無理するとロクなことがないですから。平原康多の代わりがいるか? と言われたら“いない”と答えないと康多に失礼ですけど(笑)、その他の選手にとってはチャンスが回ってくるわけだから、目の色を変えて走って欲しいです。
ーーそうなりますと佐藤慎太郎選手、清水裕友選手らSS選手に期待がかかりますね
佐藤慎太郎は戻ってきましたね。“調子”というか“らしさ”が戻ってきました。あの絶妙な位置取り。ゴール前で「あ、慎太郎がいたのか」って、思えるレースが続いてます。清水裕友もいいですよね。冬場の方が走るイメージがあるのですが、レースでの思い切りの良さ、判断の早さ。間違いなくトップクラスだと思っています。
ーーその他の選手はいかがでしょうか?
取鳥雄吾。怪我の状態がどうかですが、力は持っていますので、うまく走れば決勝に乗ってきてもおかしくないタイプだと思ってます。あとは眞杉匠。2班ですがダービー(日本選手権競輪)で決勝に乗ってきていますし、年齢的にも勢いがあります。近畿地区は安定感で稲川翔。四国地区は門田凌が面白い存在ですね。
ーー地元九州の選手はいかがでしょうか?
九州では、野田源一。福井(大阪・関西万博協賛競輪)でのレース内容は良かったです。調子に乗ったらあかんけど(笑)。山田英明も実力はあります。
中野カップレース、実は九州勢がここ10年で一人しか勝ってなくて。昔(1990年台)は吉岡稔真が勝ったりして強かったのですが、最近だと坂本亮馬だけですか。あれももう7年も前になりますね。あのときは同じラインの中川誠一郎が強かったですから。最近の誠一郎はつかみどころがないけど(笑)。
【第27回中野カップレース(GIII)】
開催時期:2021年6月26日(土)〜29日(火)
開催場:久留米競輪場
●中野 浩一(なかの・こういち)
高校卒業後、1975年にプロデビュー。無傷の18戦無敗を記録。「九州のハヤブサ」の異名をとり、77年のサンクリストバル世界選手権プロ・スクラッチ(現在のスプリント)で日本人選手で初めて優勝。その後、前人未到の10連覇を達成。80年には日本のプロスポーツ選手として初めて年間獲得賞金が1億円を突破。「世界のナカノ」「ミスター競輪」とも呼ばれ、92年の引退後は競輪をはじめ自転車競技の解説、スポーツコメンテーターとして活躍。2006年4月紫綬褒章を受章。日本自転車振興会顧問。1236走中666勝、2着221回、3着101回(4着以下はわずか248回で、うち9着は4回のみ)。通算優勝回数168回。