A級にも色んな選手がいて、昔は強かった人、ずっとこの位置にいる人、ベテランなのに今が旬な人などさまざまだが、初日の6Rで1着を取った飯尾主税は「昔は強かった人」にカテゴライズされ、S級の中堅クラスでずっと活躍していた。

「こう見えてS級優勝は6回あります。記念の決勝も一度だけ乗ったことがあって、それがこの西武園。あの時は準決で加藤剛さん(神奈川68期・引退)が行ってくれて、武田豊樹さんに併せて番手捲り。決勝は武田さんと兵藤一也君の3番手で、敵のラインには吉岡稔真さんや小倉竜二さんがいた。GIもここであったオールスターに出場していて、1着と2着を1回ずつ取っています」

　強かったのは間違いないが、S級で6回も優勝していたのは意外な事実でビックリ。今の選手に例えたら、恩田淳平とか中本匠栄みたいな感じで、タテとヨコをミックスした何でも屋だったと記憶している。

「年齢も年齢だし、あの頃みたいな走りは無理だけど、もう一度S級に戻りたい気持ちはありますよ。練習だけはコツコツやっているし、キッカケさえ掴めば浮上できそうな雰囲気もある。まだまだ、これからですね」

　今現在は86点しかない飯尾だが、初日の伸びは光るものがあったし、ここからの再浮上に期待したい。(アオケイ・長谷川記者)