今回、小谷が使用しているフレームはピナレロというメーカーの物だが「今まで村田瑞季が使っていた物を買い取った物です。村田が言うには『この自転車でPIST6で2Vをしている』そうです」と教えてくれた。

　タイムトライアル、そして初日の2走を走った後の感想を聞くと「いや〜、メチャクチャ前に流れてくれる。以前はルックを使っていたけど、俺には詰まる感じがあったんですが、これは全然違う」とご満悦。

「タイムトライアルも良かったけど一次予選は村田に余裕を持って付いていけたし、二次予選も皿屋さんの強烈な踏み直しにも離れることなく対応できましたからね。さすがのフレームです」と絶賛が止まない。

　村田からこのフレームを手に入れた経緯だが、想像していたよりも複雑だった。

「もともと自転車が好きでルックのリオ五輪モデルを持っていたんですよ。それを畑段嵐士に売って、そのお金で東京五輪モデルを購入。更にその東京モデルを稲毛健太に売って、その資金で今回の村田のピナレロを買ったんですよ。で、俺が村田の自転車を買っちゃったから、今度は俺が別に持っていたルックをアイツに売って、今回、村田が乗っているのはもともと俺がPIST6で使っていた物。村田の乗り心地はどうか知りませんが、俺にとってはこの村田の自転車は最高」

　いよいよ正念場の準決勝を迎えるが、最高の相棒と共に乗り越えることができるか。(アオケイ・渡辺記者)