ここは何と、マークした深谷知広をズブリと差した。レース後はどうだと言った表情で記者会見場に姿を現すと思われたが、表情は険しく、一気に10歳ぐらい老けたような疲労困憊ぶりだった。幾分、白髪も増えたような気も…。

「きっつい！ 踏み出しもナイスパニック、畑段(嵐士)にもらってナイスパニック。堪えたと思ったら藤井(栄二)君にも持って来られてナイスパニック。それに最後は1着を取ってナイスパニック。なんちゅうレースだったか！」と謎のフレーズ「ナイスパニック」を連呼し息も絶え絶えに振り返った。

　この日、深谷マークを決める事は己の中で決めていた。今月、松戸記念の準決で深谷-岩本俊介の3番手を回って4角を通過したが、最後の最後に中を割った大森慶一の強襲を食らい決勝進出を逃したからだ。

「松戸は深谷が突っ張ってくれた。絶好の展開だったのに自分が調子をくれていたら内をこられてしまったんです。今回はまあ、良かった」と、ひとまずリベンジを果たして胸をなで下ろした。準決11Rも再度、深谷マーク。今度こそ本当に松戸の分まで巻き返すか。(netkeirin特派員)