2021/06/28(月) 09:00 0 2
「え? 俺に取材ですか? 誰かと間違えてないですか?」とファーストコンタクトで驚いていた白井優太朗だが、驚くべきは自身のレースぶり。和歌山ルーキーシリーズで走った3日間3レースすべてでトラブルが起きていたのだ。初日が落車再乗で3着。2日目がハウス(タイヤ同士が接触)してバランス崩すも持ちこたえて5着。3日目も落車再乗の4着。
「根性あるな…」「鳥肌たった…」「あいつプロレス好きだから大丈夫だろう…」と現場でのレースの反応は様々だったが、落車しても最後までゴールを目指す白井優太朗の姿にみな心を打たれた。
「左手に痛み、左腰に張り、膝に水がたまってて…うまくペダルを踏み込めなかったのですが、いざレースになると“痛み”より”意地”が勝ってましたね。車券をかけてくださるお客様がいるので、最後までゴールを目指して踏ん張るだけです。気合いです」と、満身創痍にもかかわらず笑顔で取材に応じてくれた。
師匠は吉本哲郎で、先日国際自転車トラック競技支援競輪(GIII・松山)を制した町田太我が兄弟子にあたる。「師匠からアドバイスは特にもらってないのですが(笑)“自分で考えて乗りなさい”と言われました。師匠の言葉の意味を自分なりに解釈してレースに臨むようにしています」と、師匠からの教えを胸に秘めているという。
「卒業して、名古屋で走って、和歌山で走ってみて、ここまで変化みたいなものは特に感じてないです。しいてあげるなら、レースに慣れてきたところですね。今は気持ちで食らいつくことだけで精一杯」と、真っ直ぐに競輪に打ち込んでいることを明かしてくれた。
本デビューは7月5日の久留米競輪に決まった。傷だらけになりながらもゴールを目指す根性の男・白井優太朗の走りに是非注目してほしい。(netkeirin編集部)