石井貴子は練習中の落車で「右鎖骨と肋骨、肩甲骨を骨折した」ため、今回が4か月ぶりの実戦だった。前検日は「走ってみないとわからないけど精いっぱい頑張ります」と控えめだったが、日野未来の番手をうまく取り切ると直線でかわして1着。なんと復帰戦でいきなり白星を手にしたのだった。　

「顔見せ(選手紹介)の時からお客様が『おかえり』とか『頑張って』って声を掛けてくださって。(応えるために)精いっぱい走りました。本当に(1着は)たまたまです。余裕も全くなかったし、ただただ必死でした」

　来月にはファン投票によって選出されたアルテミス賞が控えている。石井は長欠中に「正直、このまま選手を辞めようかと思った」と言うほど気持ちが落ちていたようだが、このファン投票の結果を受けて戦列に復帰する道を選んだという。

「今回と次の高知を走って本番(アルテミス賞)の予定なので、一戦一戦を大事に、やれることを精いっぱいやっていこうと思います」

　29日の予選2でも現状のベストを尽くす。(netkeirin特派員)