土井勲は、このレースが「いい追加になったらいいね」と意気込む。今期の得点が90.73。S級点確保へは、もうひと踏ん張りが必要である。「あと1点くらいは上げたい。今回を含めてあと4場所。調子の方も一時期を思えば良くなっているので」。来期もA級が決まっているだけに、特選シードにもぐり込めた追加参戦の今場所は少しでも点数をアップさせたい。

　奮起の理由は他にもある。関西高校(岡山)時代に甲子園に出場した息子の慎二さんが、競輪選手を目指して一緒にトレーニング中なのだ。
「受かるかどうか分からないけど、10月に試験を受けるんです。最初は自転車に慣れるまでに苦労したみたいだけど、どんどん強くなっている。いい刺激になっていますよ」。そのときばかりは柔和な父親の顔になった。威厳を示すためにもS級復帰は至上命題。初日特選は、同県の櫻井太士に任せて鋭く突っ込む。(netkeirin特派員)