第1回、2回では基本的な知識をお伝えしてきましたが、今回は実践的な「ラインによる初心者予想」を前編と後編に分けて紹介していきます。

　「初心者でも予想がしやすい」と言われているミッドナイト競輪を今回は例にしてお話します。まず、ミッドナイト競輪は1番車から順に競争得点が高い選手が入っていく7車立てということは、前回説明しましたが、これをしっかり頭に入れておいてください！

■2月2日 前橋競輪 6R A級 特一般

（並び:①②③　⑤　④⑥⑦）

　初心者向きのミッドナイト競輪の中でも、めちゃくちゃわかりやすいレースを抜粋してみました。

1、予想する時はラインを確認しよう！

「競輪はチーム戦」というお話をしましたが、そのチームであるラインは並びで確認ができます。

　この並びを見ると、①坂木田雄介選手と④松本一成選手がそれぞれ3車ずつで⑤吉野選手が単騎の2分戦＋単騎の戦いになりました。

2、データのBK回数や決まり手から読み解こう

　次に確認するのはそれぞれの先頭選手の脚質やタイプですが、これはデータのBK回数や決まり手から読み解くことができます。

　このデータ参考にするとラインの先頭を走る①坂木田選手も④松本選手もBK回数や逃や捲の決まり手に数字があり、このように自分の力で風を切りレースを作っていくタイプの選手のことを「自力」といいます。

　また単騎になった⑤吉野猛選手には自力はなく、差に唯一、数字があるので最後の直線から追い抜こうとする追い込みタイプの選手であることがわかります。

3、レース展開をイメージしよう

　それぞれの選手の脚質とタイプがわかったら今度は頭の中で選手を動かしてレース展開をイメージしていきます。

　①も④も逃に決まり手があるので、まずは①が3車で逃げたパターンを考えます。その場合は残念ながら普通に考えたら1番、競走得点がある①を④や⑤が後方から追い抜くのは難しいと読み解きます。
　なので、そのまま競走得点通りに①-②-③または①が先頭で風を切り、④に追い抜かれないように早い段階で脚力を使って抵抗した場合は最後に番手にいる②に差されるパターンの②-①-③も少しだけ考えてもいいかもしれないですね。

　また逆に④が3車で先行した場合も考えてみます。それでも①なら競走得点も高く、捲りの決まり手もあるので、期待できそうですよね。

　ただ、この時に1つだけ注意して欲しいのが、後方から追い抜いていく時、すなわち簡単にいうと捲りには必ずリスクがあるのを覚えておいて貰いたいです。前回のラインの仕事でもお伝えしましたが、それこそ番手の選手は後ろから追い抜いてこようとするチームに対して自転車を横にスライドして牽制やブロックするのが仕事です。

　今回は、競走得点的にもラインの総合力にかなり差があるミッドナイト競輪のレースを紹介しましたが、後編では9車立てのグレードレースについて説明します！
　9車立てのレースは深みがあって競輪予想も楽しくなっていきますので、ぜひ後編もお楽しみください！