男気ある吉田有希の突っ張り先行を利して5年ぶりに優勝した木暮安由。まずは吉田有希と後ろを固めてくれた恩田淳平に感謝の言葉を口にした。

「見ての通りで前と後ろが良い仕事をやってくれた。吉田君があれだけ行ってくれたし、淳平も、内をビッチリ締めていた。詳しくは覚えていないけど、5年前の大垣FI以来。その時は東京の高橋築君が行ってくれた」

　弟分の恩田淳平も自分の事の様に木暮の優勝を喜び「木暮さんが強くないと群馬は盛り上がらないから(笑)」。

　木暮安由と言えば、数々の関東の歴史に名前を連ねた名物選手。諸橋愛との競りや、GIの決勝で吉澤純平の後ろで武田豊樹とも競っている。常にジョークを言い合う関係だが、最近の木暮安由は輝きを失っていた。強ければ、こちらもブラックジョークを言えるが、成績不振の選手に対しては、きつい事を言わないと決めている。

　だから、僕にとって「まだ終わっていなかった木暮安由」の見出しは逆説的だが、最大の賛辞で誉め言葉。これぐらい言いたいし書きたかった。本人は許してくれるが、木暮選手のファンに対しては失礼かもしれないし、この場を借りて謝っておきたい。(町田洋一)