準決10Rは前で受けると車を下げたがすんなり下げることはなく、松岡辰泰と併走になりながらも中団にこだわった。

「いつもなら下げていた。でも引いてばかりじゃ上位では勝てない。こういうレースもしたいと思っていて」と淡泊なレースはしないとの意思を示した。

　松岡は想定外だったようで「4番手を取れると思った」と松井の動きにしてやられたようだ。

　競輪一本で戦う上で、何をするべきかを考えて新たなスタイルを構築しようとしている。

　番手を回った松谷秀幸も「宏佑が位置取りをやっていきたい、みたいな話をしていて。ちょうどいいチャンスだったし下げなかったのは正解」と後輩に理解を示した。

「今、脇本(雄太)さんも後方に下げたら、なかなかきつい展開になっているじゃないですか。あの脇本さんでもそうなら、自分が勝つのはもっときつくなる。大敗を避けるのと戦法に幅を広げるためにもこの手のレースは今後もしていきたいんです」

　決勝は北津留翼や野田源一ら気配のいいメンバーが目白押し。負けじと攻める松井の完全Vに期待だ。(netkeirin特派員)