2021/04/29(木) 17:30 0 1
競輪ファンならもちろん、競輪を詳しくなくても知っている人が多いのではないか。旧福井支部で、現在は香川支部の玉村元気が行う仮面ライダーの変身ポーズ。発走機についた際、号砲が鳴るまでのルーティンが名前の通り”元気いっぱい”である。今さら感はあるが、あらためてその歴史を紐解いてみたい。
「最初は気まぐれだったんです。やったりやらなかったり。とにかく発走まで退屈じゃないですか。その間に緊張しちゃったりするから、なんか体を動かしたいな、アクションがあれば、と思って。最初は『牙狼(GARO・特撮テレビドラマ)の鎧を召喚するポーズ』をやっていたんですが、お客さんの反応がイマイチ薄くて…。で、鷲田幸司さんから『もっと分かりやすいのをやれ』と言われて。じゃあ仮面ライダーポーズをやりますって、やってみたんです。変身した瞬間に、お客さんが『うぉー』ってなって(笑)。最初は審判に怒られたけど、やり続けたら、もう怒られませんよ」
昨年から無観客開催も増えているが「お客さんの反応は気にならなくなった。お客さんがいようがいまいが、僕はこれをやり続けるだけです」と笑う。そして、変身後の最後のポーズは、微妙にマイナーチェンジをしているらしい。「前場所から、ウマ娘というゲームのツインターボのポーズ(左親指を左側頭部にあてる)をやっています!」
以前、ツインターボという逃げ馬がいたのは知っているが、ゲームが疎い記者は、3回ほど聞き直してしまった(それでもあまり理解できていないが)。
「今度、119期生としてデビューする桑名(僚也・埼玉)君という子が、高校時代にインターハイの決勝で、僕の変身ポーズのマネをしてくれたんですよ! 少年野球や高校野球でイチローのマネをやるようなもんでしょ。うれしかった。彼は大学に進学して、その後にまさか競輪選手としてデビューするとは。期待していますよ。何もやらないかもしれないけど。早く現場で会いたいですね」
桑名僚也が1、2班戦に上がり、玉村と対戦することになったら…。発走前に2人の選手がライダーポーズを行う、前代未聞の事態となるかもしれない。 (netkeirin特派員)