2022/09/04(日) 12:30 1 12
前検日から、ひと際違うオーラを放つ選手がいた。岡部芳幸である。廊下ですれ違うたびに背筋がピンとなるのは記者だけだろうか。
ーーお話伺ってもいいですか?
岡部:いいよ、機嫌がいいうちに(笑)。
ーーオーラが凄くて、緊張します。
岡部:何もないよ! 今、好感度アップキャンペーン中だから。いつからかって? つい2週間前からだね(笑)。貴重な第一号だよ、いい時に話を聞きに来た。
ーー中2日で、連戦の疲れはどうですか?
岡部:キツいよ、おじさんだからキツい! でも、ガールズがいるから来てみた(笑)。
ーー弥彦では降級後、初優勝。少しホッとした部分はありますか?
岡部:でも、自力のレースじゃないからね。後藤(悠)君のおかげ、3日間頑張ってくれた。北日本の若い子が頑張ってくれての優勝。ワンツーを決められなかったのは、自分でも反省しなくていけないね。北日本の若い子の頑張りから優勝できたのが、本当に何よりも嬉しい。
ーー500勝が迫っていますね。
岡部:一戦一戦やるしかない。三宅伸には「500勝はS級じゃないとワシは認めん」と言われて。くそーと思ってね(笑)。まぁ、でも一年間A級だし仕方ない。
ーー名古屋の決勝では自分で捲っていましたが。
岡部:長男がいま養成所で、次男が来月3度目の養成所の試験を受けるのでね。そのついでに練習しているくらいですよ。
ーー息子さんたちは、やっぱりお父様の背中をみて選手を目指しているのでしょうか?
岡部:いや違うね。競輪選手の息子は最終手段だよ、そういうのは絶対。ついでなんだよ(笑)。何もすることないから、それじゃあ競輪選手になるかって。父さんでやれるんだからくらいの感覚だと思うよ(笑)。
ーー父として、先輩選手としても負けていられないですね。
岡部:下の子がデビューする前に引退したら、宝くじ当たったか、嫁さんに捨てられたと思って(笑)。長男坊に聞いてよ。「お父さん辞めたけど、どうしたの? 宝くじ? それとも、お母さんに逃げられちゃったの? どっち?」って。恐らく後者の方だね、嫁に愛想つかされちゃってね(笑)。
ーーご長男のデビューが待ち遠しいですね。
岡部:それ以前に、下の子がとにかく受かってほしい。来月が試験。その頃には好感度アップキャンペーンも終わっているね。誰も寄せ付けさせないよ、ピリついて(笑)。息子が試験の前に俺が500勝できれば、後押しになるかな、なんてね。
ーー決勝に向けて意気込みをお願いします。
岡部:片桐君とは初連係。連日、いいレースをしている。前に前に進めて走っているし、後ろとしても仕事がしやすい。
(ちょうどレースを走り終えた片桐が現れる)
あ、片桐君。福島の岡部です、よろしく。片桐君が優勝できるように、前へ前へと好きに走ってくれたら。俺は抜く係じゃないから。もう一度言っておくけど、楽をして4コーナー抜く係じゃない。君が風を切って、苦しいのをアシストする係だから。一緒に頑張ろう!