2025/09/24 (水) 12:00 21
向日町競輪場が改修工事期間に入っているため、今年は奈良競輪場で「開設75周年記念 平安賞in奈良(GIII)」が9月25〜28日に開催される。場所が変わるので思いは変わってくるところもあるだろうが、期待の大きさは変わらない。京都勢が純地元の戦いになる。
“取るべき人”、の位置に届きながら山田久徳(38歳・京都=93期)と窓場千加頼(34歳・京都=100期)が勝てていない。千加頼にすれば昨年大会で脇本雄太(36歳・福井=94期)との近畿別線勝負で8分の1輪に泣いたばかり。あの準優勝の意味を…今回、もう一度胸に挑む。復活の舞台は、ここしかない。
また、久徳にしてもずっと先頭で頑張ってきて、その後はチャンスのある戦いもあった。しかし、どうしても届かない。届いていない。京都の先輩たちが、この平安賞にぶつけてきた意地と、その重みは誰よりも知っている。結果を出すことでしか、先輩たちに報いることはできない。
特別な思いは稲垣裕之(48歳・京都=86期)にもあるだろう。改修工事は向日町競輪場がある地域を広く再開発するため、予定では再開は2029年度となっている。昨年大会は「この形の向日町競輪場で走る平安賞は最後」と悲壮な表情で戦っていた。
場所は奈良になっても責任は変わらない。受け継いできた思いを奈良バンクで爆発させてほしい。なんとしても決勝に乗ってほしい選手だ。
先月川崎で9連勝を飾り、今開催に“間に合った”形で走る京都の新星・谷内健太(25歳・京都=125期)は再開後に京都のリーダーとなっているべき男。S級初戦になるわけだが、これからのヤチケンタの物語を大事な1ページとする。
久徳、千加頼と稲垣に高久保雄介(38歳・京都=100期)の1班が4人、川村晃司(49歳・京都=85期)、畑段嵐士(34歳・京都=105期)、徳田匠(28歳・京都=119期)の京都8人に大きな声援を送ってほしい。
S班は犬伏湧也(30歳・徳島=119期)1人だが、深谷知広(35歳・静岡=96期)もいて、開催自体はやはり豪華だ。深谷は今年もKEIRINグランプリの出場争いの賞金ボーダー付近におり、優勝が欲しい。まだ2つGIを残すものの、終盤の記念優勝は重要だ。
青森記念を郡司浩平(34歳・神奈川=99期)が制した勢いで、終盤の南関の盛り返しにつなげてほしい。
犬伏も最後までわからない。9番目の位置にいる新山響平(31歳・青森=107期)との差はややあるものの、不利な立場ではない。4月にS班に繰り上がり、最大の任務はS班としてのGI優勝に違いないものの、その名前をグランプリのメンバーに連ねることもS班としての仕事だ。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。