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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【オールスター競輪予想】最終日1R&8Rは人気総崩れの大波乱注意報発動! 万車券乱舞の最終決戦へ

2025/08/17 (日) 09:00 1

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。KEIRINグランプリを三度制した帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
函館1R オールスター競輪(GI)一般

①松岡貴久(90期=熊本・41歳)
②須永優太(94期=福島・37歳)
③武田豊樹(88期=茨城・51歳)
④栗山和樹(125期=岐阜・28歳)
⑤山崎芳仁(88期=福島・46歳)
⑥幸田望夢(115期=栃木・25歳)
⑦松本秀之介(117期=熊本・25歳)
⑧徳永哲人(100期=熊本・43歳)
⑨笠松信幸(84期=愛知・46歳)

【初手・並び予想】

←⑦①⑧(九州)⑤②(北日本)⑥③(関東)④⑨(中部)

【注目のヨーロッパ】
④栗山和樹

先捲りから④栗山和が突き抜ける展開に期待!

 最終日の第1レースという、調子のいい選手が誰もいない一戦。唯一の3車ラインとなったのが九州勢で、その番手を回る①松岡貴から車券は売れそうだ。オール熊本という結束力の強さや車番に恵まれたことなどからも評価が高まりそうで、一本かぶりの人気となる可能性もありそう。しかし、ライン先頭を任された⑦松本秀がそれほど信頼できるとは思えず、波乱の目も十分にあるとみている。

 初手は車番通りの並びとなる想定で、後ろ攻めは中部ライン先頭の④栗山和。ここが前を斬りにいくと、前受けした⑦松本秀は突っ張らずにいったん下げるはずだ。次に関東ライン先頭の⑥幸田望が前を斬るが、中団で立ち回りたい⑤山崎芳は、関東勢の後ろを狙ってきそう。この流れで打鐘を迎えると、前から「⑥③ ⑤② ④⑨ ⑦①⑤」といった隊列になるのではなかろうか。

 そのまま⑥幸田望が逃げて、関東勢の主導権でペースが加速。しかし、⑥幸田望の逃げは能力のデキの両面から厳しく、それが分かっている他のラインの先頭は、そう早くからは動かないはずだ。問題は⑦松本秀がどこで仕掛けるかだが、ここは④栗山和が先捲りを打つ可能性が大アリ。⑥幸田望の逃げで3番手が⑤山崎芳といった並びならば、④栗山和が5番手から捲りきれるとみた。

 ④栗山和が仕掛ければ、⑦松本秀も続いて仕掛け後を追うだろうが、これを捉えきれると思えるほどのデキはなし。最後に差を詰めてきたとしても2〜3着が限界で、3車ラインのメリットを活かせる展開にはできない公算が大だ。また、捲り不発に終わるケースもありそうで、そうなればかなりの高配当も期待できそう。④栗山和が中団から捲る想定なので、⑨笠松信の差し目は狙わない。つまり、④栗山和の1着固定だ。

 本線はスジの「④→⑨」から流す3連単で、後方から捲った⑦松本秀が2着に届いての「④→⑦」がらみの車券もしっかり押さえる。ホームラン狙いの高めは⑦松本秀が捲り不発に終わったパターンで、「④→②③⑤」から流す3連単は、いずれもかなりの高配当となることだろう。直前のオッズ次第では、2連単の「④→②③⑤⑦⑨」を雑に押さえて、そこに3連単を組み合わせるのも面白そうである。

栗山和樹(写真撮影:北山宏一)

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【予想レース②】
函館8R オールスター競輪(GI)優秀

①山田庸平(94期=佐賀・37歳)
②眞杉匠(113期=栃木・26歳)
③岩本俊介(94期=千葉・41歳)
④松谷秀幸(96期=神奈川・42歳)
⑤中野慎詞(121期=岩手・26歳)
⑥鈴木玄人(117期=東京・29歳)
⑦嘉永泰斗(113期=熊本・27歳)
⑧和田圭(92期=宮城・39歳)
⑨取鳥雄吾(107期=岡山・30歳)

【初手・並び予想】
←②⑥(関東)⑦①(九州)③④(南関東)⑤⑧(北日本)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④松谷秀幸
⑥鈴木玄人

④松谷秀や⑥鈴木玄に⑨取鳥雄を絡めた買い目がアツい!

 ラインが4つに単騎が1名のコマ切れ戦。②眞杉匠と③岩本俊という2名のS級S班が、それぞれライン先頭を任されている。他のライン先頭が⑦嘉永泰と⑤中野慎で、単騎で勝負するのが⑨取鳥雄と、ここはハイレベルな機動型が揃っている。人気の中心は関東勢の先頭である②眞杉匠だろうが、展開ひとつで結果がガラッと変わりそう。しかも②眞杉匠のデキが冴えないのだから、波乱決着の余地は十分にある。

 初手は②眞杉匠がスタートを取って、以降は車番通りになると想定。つまり、後ろ攻めは北日本勢の先頭である⑤中野慎で、逃げる確率がここで最も高い選手でもある。このメンバー構成で②眞杉匠が前受けから突っ張って先行するとは考えづらく、まずは⑤中野慎が前を斬って先頭に。⑨取鳥雄は連動せず、「捲りきれそうなライン」の直後を狙って立ち回るのではないかと推測する。

 続いて南関東勢の先頭である③岩本俊が前を斬って、次は九州勢の先頭を任された⑦嘉永泰の順番となるが、その前に3番手の⑤中野慎が動いて、主導権を奪取。その前にいる③岩本俊もしくは直後にいる②眞杉匠が北日本勢の直後を狙い、⑦嘉永泰は後方という並びでレースは打鐘を迎える…といった展開を予測する。この時点で想定される隊列は、以下の4パターンだ。

・⑤⑧ ②⑥ ⑨ ③④ ⑦①
・⑤⑧ ②⑥ ③④ ⑨ ⑦①
・⑤⑧ ③④ ⑨ ②⑥ ⑦①
・⑤⑧ ③④ ②⑥ ⑨ ⑦①

 ⑦嘉永泰は後方に置かれた時点で厳しく、逃げている⑤中野慎もそうデキがいいとはいえない。中団の関東勢や南関東勢が早めに仕掛けた場合に残せるかどうかは、かなり微妙なはずである。となれば、ここは②眞杉匠もしくは③岩本俊の捲りを狙うのが正解で、周りが仕掛けるタイミングと位置取り次第では、単騎の⑨取鳥雄が1着まで突き抜けるケースも考えられる。いずれにせよ、狙い目なのは中団の5車だ。

 問題はこれをどう買うかだが、素直にいくなら「②→⑥→③④⑦⑧⑨」や「③→④→②⑥⑦⑧⑨」などのスジ決着狙いだろう。②眞杉匠や③岩本俊の捲りを狙うのだから、それを⑥鈴木玄や④松谷秀が差し切って1着となる確率は、そう高くはない。直前のオッズが「これでは買えない」といったものならば、単騎の⑨取鳥雄が絡むパターンに限定するのをオススメする。これだけで、配当はかなりハネるはずである。

鈴木玄人(写真撮影:北山宏一)

 さらに欲張るならば⑥鈴木玄や④松谷秀の差し目や、「⑨→②→⑥」や「⑨→③→④」といった、⑨取鳥雄の1着狙いが面白い。腹をくくって高配当だけを狙うならば、競馬でいうところの「④⑥⑨の2車軸マルチから②③④⑥⑦⑧⑨に流す」3連単78点または3連複13点がオススメ。前述したスジ決着狙いの3連単に、この3連複を付け加えるような買い方をしてみるのもいいだろう。

松谷秀幸(写真撮影:北山宏一)

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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