アプリ限定 2025/06/28 (土) 18:00 10
『競輪選手になるために、そして夢を叶えるために』今年は第129回生として男子72名、第130回生として女子21名の候補生たちが日本競輪選手養成所に入所し、2026年のプロデビューを目指している。この時期、“未来の競輪スター候補”と題して毎年お届けしている本シリーズだが、今年は10名の注目候補生へインタビューを実施した。今回は130回生・伊藤梨里花(いとう・りりか)候補生を紹介する。(取材・netkeirin編集部)
女子ソフトボール・大垣ミナモの選手として2021年から活躍してきた伊藤梨里花候補生。最優秀殊勲選手賞5回受賞するなど間違いなくチームの中心選手だったが、さまざまな葛藤の末に惜しまれつつ引退を決めた。そして第二の人生に選んだのは“ガールズケイリン”。友人でもあった牛田樹希斗選手(愛知・119期)からのスカウトで未知の世界に飛び込んできたーー。
ーー大垣ミナモの選手紹介ページ(※現在は公開終了)で「もし他の職業に就くなら?」という問いに「稼げるから競輪選手」と回答されていたのを拝見しました。この頃から競輪選手は結構意識されていたんでしょうか。
あれは確か2年前だったと思います。今の師匠である牛田選手に「ガールズケイリン選手やってみない? 根性のある梨里花なら絶対に活躍できると思う」というのを言われ始めて、ちょうどガールズケイリンを意識し始めた頃だったと思います。
ーー最終的にその牛田選手からの勧めで競輪界入りを決めたんですよね。でも長年続けてきたソフトボールからの転向は葛藤があったと思います。決め手はなんだったんでしょうか。
ソフトボールは団体競技だったので、自分個人の力でどこまで通用するのか試してみたくなったんです。
ーー前向きな気持ちで次のキャリアを選ばれたんですね。牛田選手も「根性がある」と評されていましたが、ご自身の性格を一言であらわすとしたらなんでしょうか?
「強気」ですね。中途半端なことが嫌いです。すごく負けず嫌いですね。
ーーとてもかっこいいです。養成所で本格的に自転車に乗り始めて、ソフトボールと大きく違うと感じたところはなんですか?
練習時間は正直ソフトボールの方が長いんですが、競輪は内容やハードさが桁違いですね。ソフトボールは少し休んですぐにまたやるんですが、競輪は一本集中してしっかり休んでから「次の一本にまたどうやって全力を出すか」を考える必要があって…。そこが大きく違い、戸惑いがありましたね。
ーー逆に共通点やここは活かせるなと感じる部分はありますか?
ソフトボール時代には投げたり打ったりする時に、肩甲骨や股関節の使い方を意識していました。ウエイトや体の使い方を大事にしてきたので、自転車に乗る際にも骨盤の使い方などを理解したり吸収するのが早かったと思います。そこは(経験が)活きていると感じました。
ーーソフトボール時代は体脂肪率11%だったんですよね。競輪を始めてからはどうでしょうか?
今はもう少し増えていると思います。ソフトボールより競輪選手の方が体重が必要なので、体重が増えるようにご飯も意識しています。養成所に入ってからは4kg増えました。
ーー4kgって肉体改造のレベルですよね。驚きです。今ご飯の話が出たので…養成所でお気に入りの献立はありますか?
この前、お昼ごはんにビビンバが出てきました! 美味しかったです。
ーービビンバですか、いいですね! 趣味はありますか?
自然が好きで、滝をめぐったりします。養成所の二次試験を受けた帰り道に、富士山の麓にある「白糸の滝」という滝に行ってきました。すっごく良かったです。
ーー滝いいですね、癒されそうです。また競輪のお話に戻りますが、伊藤候補生はどんな選手を目指したいですか?憧れの選手はいますか?
強くてかっこいい選手でいたいです。憧れは坂口楓華選手です。走り方もそうなんですけど、考え方とか人としてのストイックさとかそういった部分をすごく尊敬しています。少しでも楓華さんに近づけるように頑張ろうと思います。
ーー最後に直近の目標とデビュー後の大きな目標を教えてください。
直近は第二回の記録会でゴールデンキャップを獲ることです。今回は白帽だったので、一歩ずつ進んでいけたらと思います。大きい目標はグランプリに出場できる選手になりたいです。坂口楓華さんと一緒に走れるよう頑張ります。
ーー応援しています!
自転車未経験から適性試験で一発合格。第一回記録会では自転車経験者が多くいる中で200mTTで全体3位、他種目でも全て5位以内。白帽獲得者は候補生21名中2名のみだ。すでにポテンシャルの高さがうかがえる。師匠お墨付きの根性と持ち前のストイックさで、伊藤梨里花の妥協なき挑戦が始まったーー。
netkeirin編集部
netkeirin Editorial department
netkeirin編集部がピックアップする“未来の競輪スター候補”のインタビューをお届けします。